秋の味覚  新米

 

秋は実りの季節、私たち日本人にはとても大切なお米が実る時期です。

この時期ならではの新米の美味しい味があります。

 

米の歴史背景

米の原産地は中国です。中国から南アジアや朝鮮、日本へと伝わりました。

日本で稲作が始まったのは、縄文時代です。遺跡などで炭化した籾や米、土器に付着していたものが出土されています。水稲栽培が始まったのは、縄文時代末期から弥生時代早期にかけてです。

米は籾のまま乾燥していれば長く保存できることから、冬の間も食べることができ、米は日本人の主な栄養源として食事に欠かせないものとなりました。最も重要な食物であり、租税(年貢)としても納められるようになりました。また、神道など宗教的にも祀られてきました。

長い間、日本人の主食として重きを置かれてきたお米ですが、近年になって少しずつ消費量が減っています。

若い人の米離れや、パン食、麺の食事が増えたことなど日本人の食生活が変わってきたことに関係します。

 

米の種類

水稲・陸稲

日本では陸稲に比べて、水稲の方が一般的です。弥生時代から水稲の文化が根付いています。陸稲に比べてコストはかかりますが、面積当たりの収穫量が多く連鎖障害がほとんどないなどのメリットがあります。

 

ジャポニカ米・インディカ米

ジャポニカ米(日本種):丸い形で、粘りとつやがあります。日本・朝鮮半島・中国北東部で作られています。

ジャポニカ米(ジャワ種):大粒でやや丸い形をしています。粘りはありますが、味はあっさりしています。ジャワやイタリアで作られています。

インディカ米(インド種):細長い形で炊いても粘りがなくパラパラとしています。中国中南部、インド、タイ、ベトナムなどで作られています。

 

うるち米・餅米(ジャポニカ米)

うるち米:私たちが普段の食事で主食に食べているお米です。デンプンの成分がアミロース15~35%、アミロペクチン65~85%です。粘りはありますが、一粒ずつがくっつくほどではありません。

餅米:おこわやお餅、和菓子の原料にも使われます。粘りが強く、粒同士がくっつきます。デンプンの成分はアミロペクチン100%です。

 

米の品種

コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれ、はえぬき、きらら397、きらら、ほしのゆめ、ゆめぴりか、ななつぼし、つや姫、はるみ、銀河のしずく、ミルキークイーン、ふっくりんこ、新之助、青天の霹靂、あさひの夢、いわてっこなど多数あります。

それぞれの味わいがあります。

 

米の収穫

産地や種類によって変わりますが、8月末ごろより収穫が始まり、9、10月と続きます。

 

米の選び方

お米は色々な品種があります。粘りや風味がそれぞれ違うので、好みに合わせて購入しましょう。

あと、お米は全体的に精米をすると劣化が早まります。特に温度が高い所に長く保存をすると劣化が加速しますので、なるべく精米したてのもので、温度管理がされているものを選びましょう。

 

米の保存方法

お米は冷蔵庫の野菜室ぐらいの温度10度前後が保存に最適です。できれば、密閉できる容器に入れて野菜室に保存するのが望ましいのですが、場所が取れない場合は温度が低めの場所に保存しましょう。
また匂いが移りやすいので必ず蓋をすることをお勧めします。1か月以内で食べきれる位の量を購入しましょう。

 

新米の炊き方

新米は、水分が多いので水を減らすと良いといわれていますが、現在の出荷では水分量は15%と決まっているので、それほど多く減らさなくても大丈夫です。

浸水時間は好みにより、30分から2時間程度です。パラっとしている方が好みの場合は浸水時間を30分程度に、もっちりと粘りが強い方が好みの場合は2時間程度浸水しましょう。

 

米の栄養

米は乾燥玄米で100gあたり、353㎉です。その成分のほとんどが糖質のデンプンで、アミロペクチンアミロースです。そのほか、食物繊維やビタミンB群、カリウム、マグネシウムなどを含んでいます。

精米をして精白米になると、食物繊維やビタミン類は大幅に減ります

 

東洋医学(漢方)から見た米

属性

寒熱 「

臓腑 「脾・胃

五味 「甘・苦

 

東洋医学的効能

補中益気:胃腸を丈夫にして力をつける。

健脾和胃:消化吸収機能を回復する。

除煩渇:ストレスやのどの渇きを解消

止痢:下痢を止める。

体質相性

米は「平性」で胃腸の機能を丈夫にする働きがあり、ほとんどの体質の方は問題なく食べることができます。

肥満・糖尿病・消化不良のある「食積痰湿」の方は、米も含めて全体量を少なめにしましょう。

 

新米に合う美味しいレシピ

新米はご飯自体が美味しいです。美味しく炊いてお米そのものを味わいましょう。

ご飯のお供に豚汁はいかがですか?

豚汁

材料4人分

豚小間肉60g、大根1/4本、人参1/3本、こんにゃく1/2枚、里芋2個、豆腐1/3丁、長ネギ1/4本、ゴボウ1/4本、だし汁、合わせ味噌40g、みりん小さじ1、油

①里芋は良く洗い、500wレンジで1分加熱してふきんで皮をむく。半月切りに切る。

②大根、人参は皮をむき、いちょう切りにする。ゴボウはささがきにし、水に浸してアクをとる。

③こんにゃくは湯通しして、縦に半分にきり5mm程度に切る。

④豆腐は角切りし、長ネギは小口切りにする。

⑤鍋に油を入れて、豚小間肉を炒める。続けて人参、大根、こんにゃく、ゴボウを入れる。

⑥だし汁を入れて、煮立ったらアクをとる。

⑦野菜にある程度火が通ったら、里芋と豆腐を入れる。

⑧みりんと合わせみそをいれて味を調整する。

⑨器にいれて、長ネギをのせて好みで唐辛子をかける。

 

 

イメージ

トップへ戻る

 

ホームへ戻る

 

<参考>

ウィキペディア 米  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3

 

東方栄養新書  梁こう千鶴   メディカルユーコン