ポリフェノールとは
ポリフェノール類は、植物に含まれる成分で約5000種類以上あると言われています。色素・苦み・渋みの成分です。植物自身を守るためにあるポリフェノールですが、人にも高い抗酸化作用を与えてくれることで、私たちは恩恵を得ています。
ポリフェノールは、色素成分のフラボノイド系とそれ以外のフェノール類に分けられます。
ポリフェノールは水溶性で水に溶けやすく、体の中ですぐに働いてくれる即効性のある成分です。しかし体外にすぐ出てしまいますのであまり長持ちはしません。2~3時間で体外へ出てしまうと言われています。
ポリフェノールは強い抗酸化力だけではなく、ホルモンのように作用するものやアレルギー抑制、抗炎症作用、目の機能をサポートするものなど、それぞれが独自の機能を持っています。
色素成分のポリフェノール
アントシアニン:とても有名なポリフェノールです。赤~紫青の色素で、血行改善や眼精疲労、視力回復に役立つと言われています。
ブルーベリーやプルーン、ブドウ(紫の皮をもつ種)、紫キャベツ、赤ワイン、いちごなどに含まれています。
ナスニン:なすの皮の紫色の色素で、アントシアニン系のポリフェノールです。強い抗酸化作用、眼精疲労の改善、動脈硬化予防の作用があります。
ルチン:そばに含まれる黄茶色素の成分です。毛細血管の強化をする働きがあります。
テアフラビン:紅茶の赤い色素です。発酵の過程でつくられるポリフェノールです。抗菌・抗ウイルス作用があります。その他、血圧を下げる働きもします。
クルクミン:ターメリック(うこん)やからしに含まれる黄色い成分です。肝機能を強化する働きがあります。
ケルセチン:たまねぎ、ブロッコリーなどに含まれる薄黄色の色素成分です。コレステロールの抗酸化作用で動脈硬化の予防をします。
味やその他のポリフェノール
カテキン:カテキンは緑茶に一番多く、ウーロン茶や紅茶にも含まれる成分です。渋みがポリフェノール成分です。抗菌、抗ウイルス作用、アレルギー症状の改善、がん細胞の増殖を抑制する作用があります。
カカオマスポリフェノール:チョコレートのカカオポリフェノールとして有名になりました。苦みがポリフェノール成分です。強い抗酸化力とストレスの緩和、血圧を下げる働きがあります。
クロロゲン酸:じゃが芋やさつま芋の皮、コーヒーに含まれるポリフェノールです。活性酸素の発生を抑え、発がん物質のニトロソアミンを抑制します。
ショウガオール:その名の通り生姜に含まれる成分です。辛み成分のジンゲロールが加熱するとショウガオールに変わります。抗菌作用、鎮痛作用、血行促進などの作用があります。
サポニン:大豆や大豆製品に含まれる渋みや苦みの成分です。抗酸化作用、免疫強化、肝機能改善する機能があります。
(じゃが芋に含まれるソラニンもサポニンの1種ですが、ソラニンは毒がありますのでじゃが芋の青い部分は取り除きましょう。大豆サポニンには毒はありません。)
イソフラボン:大豆に含まれる成分で、体内で女性ホルモンの「エストロゲン」に似たような働きをします。骨粗鬆症の予防、更年期障害の緩和に役立ちます。
ヘスペリジン:グレープフルーツや柑橘類の皮などに含まれる苦みの成分です。毛細血管を強化します。血行も促進、発がんの抑制をします。
ウーロン茶ポリフェノール:その名の通りウーロン茶に含まれています。脂肪の分解を促進する働きがあります。
エラグ酸:レッドラズベリーなどに含まれています。強い抗酸化力があります。また肝臓の機能を改善、発がん物質の活性を抑制するなどの作用があります。
フェルラ酸:米ぬか、玄米や発酵玄米に含まれている成分です。抗菌作用や抗酸化作用があります。紫外線を吸収する作用や美白作用があるため、化粧品にも使われています。また、食品添加物の酸化防止剤としても使われています。
栄養素は協力し合って働いているものが多いので、一つのものに偏らず色々なものを食べましょう。
<参考>
栄養素図鑑 牧野直子 新星出版社
食べて治す 最新 栄養成分事典 中島洋子 蒲原聖可 主婦の友社