機能性成分とは
5大栄養素(糖質・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)以外に、体に有益な効果がある成分のことです。体に必ず必要というわけではないのですが、あれば体の中で体調を整えたり、抗酸化作用を発揮するなどの成分のことを指します。ファイトケミカルとも呼ばれます。
そのうちのいくつかを紹介します。
カプサイシン
カプサイシンは唐辛子に含まれる辛さ成分です。中枢神経を刺激してエネルギー消費を促進、皮下脂肪燃焼、血行促進、体温上昇などの作用と、疲労回復の作用があります。
そのため体重を減らしたい人、冷え性の人や肩こりの改善にも役立ちます。多く食べすぎると胃や消化管を荒らすので、あくまでもほどほどにしましょう。
含む食品:唐辛子
コエンザイムQ10
ビタミンQとも呼ばれ、エネルギー生産時の酵素を助ける補酵素です。高い抗酸化作用があり、近年では化粧品などにも使われることも多いので、名前は見たことがある人が多いのではないでしょうか。アンチエイジングも期待されています。
含む食品:レバー、牛肉、豚肉、かつお、マグロ、イワシ、さばなど
コンドロイチン硫酸
コンドロイチン硫酸は、ムコ多糖類の1種です。もともと私たちの体の中にも軟骨、骨、皮膚、角膜に存在します。コラーゲンと共に結合組織を作り、保水性を持たせて弾力のある組織をつくります。そのために関節が円滑に動くのですね。成長期には体内で多く合成されますが、年齢が上がると共にその量は減ってきます。
コンドロイチン硫酸は、その他に免疫を強化する働きや骨粗鬆症の予防にも役立つといわれています。
含む食品:納豆、おくら、山芋などのねばねば食品、海藻、ふかひれ、うなぎなど
ナットウキナーゼ
ナットウキナーゼは、その名の通り納豆に含まれる成分です。納豆のねばねばに含まれる酵素で、血栓を溶かす働きがあります。市販の納豆を2パック(100g)ほど食べると、血栓治療薬1回分に相当するくらいの効力があると言われています。食べてからおおよそ5時間以内に血栓溶解の効果が現れます。血栓は夜間にできやすいと言われているので、その前の夕食に食べると就寝中の血栓が予防されます。
含む食品:納豆
グルコサミン
カニやエビの殻に含まれる成分で、アミノ酸のひとつです。私たちの体の中では関節に多く含まれていますが、年を重ねるとその量は徐々に減っていき、それが関節痛の原因になることもあります。
含まれる食品:カニ・エビの殻、肉の軟骨、ふかひれ、うなぎなど
GABA
アミノ酸の1種で動物や植物にも存在します。神経細胞の中では、主にグルタミン酸から合成されます。体内で神経伝達を助けたり、血圧上昇の抑制、脳の血流の改善、精神安定作用、肝機能活性などに役立ちます。
特定の条件下で保存をするとGABAが増える食品があります。(発芽玄米、お茶など)
含む食品:発芽玄米、ギャバロン茶など
タウリン
タンパク質が分解される過程でできるアミノ酸の1種です。体内にも胆汁酸、心臓、筋肉の中に含まれています。体内では、コレステロールの低下作用、血圧上昇の抑制、心臓機能向上、肝機能向上、血糖を下げるホルモンのインスリン分泌促進、視力回復などに役立ちます。
含む食品:イカ、タコ、かつお、まぐろ(特に血合いの部分)など
クルクミン
クルクミンはウコン(ターメリック)に含まれる黄色い成分です。カレーには欠かせないスパイスです。クルクミンはそれ自体に抗酸化作用があるのですが、体内で代謝の過程で「テトラヒドロクルクミン」というとても強力な抗酸化物質になります。活性酸素を除去し生活習慣病を防ぐ助けや、脂質が過酸化脂質になるのを防いで動脈硬化を予防します。胆汁の分泌を促進します。それに解毒作用も強く、肝機能を補助します。
含む食品:ウコン(ターメリック)、カレー粉など
ショウガオール・ジンゲロ―ル
ショウガオールはその名の通り、生姜に含まれている成分です。ジンゲロールも合わせて生姜の辛み成分です。体内では鎮痛作用をもち、炎症を鎮め痛みを和らげます。その他、アレルギー症状の緩和、抗菌・殺菌作用、抗血栓作用、解熱作用などにも役立ちます。
含む食品:生姜
<参考>
臨床栄養ディクショナリー 山本みどり 佐々木公子 大池教子 メディカ出版
食べて治す 最新 栄養成分事典 中嶋洋子 蒲原聖可 主婦の友社