栄養素とは、私たちが食べる食品中に含まれる成分で、体が利用できるもののことを言います。体を作ったり、生きていくのに必要なエネルギーを生み出したり、免疫で外界からのウイルスや細菌などを防ぐには、必要不可欠なものです。食品を食べて、体内で消化・吸収が行われて、それを利用するためのプロセスが行われます。そのプロセスがないと、健康に体を保つことができず、生きていけません。
栄養素は「糖質・タンパク質・脂質」を三大栄養素とよび、それに「ビタミンとミネラル」を加えたものを五大栄養素といいます。これらはそれぞれの摂取量や推奨量が決まっています。それに加えて、食物繊維も摂取量が追加されました。
この他に摂取量は決まっていませんが、ポリフェノールなどの機能性成分や有効成分も近年の研究によっていろいろと発見されています。
栄養素の種類
炭水化物
炭水化物には糖質と食物繊維が含まれます。
糖質
糖質は、単糖類・二糖類・多糖類に分かれます
単糖類:ブドウ糖・果糖・ガラクトース
二糖類:ショ糖・麦芽糖・乳糖
多糖類:デンプン、グリコーゲン、セルロース
食物繊維
不溶性食物繊維と水溶性の食物繊維に分かれます。
タンパク質
20種類のアミノ酸が組み合わさったものがタンパク質です。必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分かれます。
必須アミノ酸
ロイシン・イソロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン・トリプトファン・バリン・ヒスチジン
非必須アミノ酸
チロシン・システイン・アスパラギン酸・アスパラギン・セリン・グルタミン酸・グルタミン・プロリン・グリシン・アラニン・アルギニン
脂質
飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸があります。それと加工油脂に分かれます。
飽和脂肪酸
短鎖脂肪酸・中鎖脂肪酸・長鎖脂肪酸
不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)、一価不飽和脂肪酸(オメガ9)
加工油脂
トランス脂肪酸
ビタミン
ビタミンは13種類あり、油に溶ける脂溶性ビタミンと水に溶ける水溶性ビタミンがあります。
脂溶性ビタミン
ビタミンA:肌や粘膜を守り、目の健康に欠かせません。
ビタミンD:骨を強くするなどの働きをします。
ビタミンE:血行を良くしたり、活性酸素から体を守ります。
ビタミンK:血液の凝固や丈夫な骨のためには欠かせません。
水溶性ビタミン
ビタミンB1:糖質の代謝に必要です。
ビタミンB2:脂質の代謝には欠かせません。
ナイアシン:お酒が好きな人には、とても必要なビタミンです。
ビタミンB6:タンパク質の代謝には欠かせません。
ビタミンB12:神経が正常に働くようにしたり、貧血の予防に必要です。
葉酸:貧血予防、DNAの合成に必要です。妊婦さんにはとても大切なビタミンです。
パントテン酸:ストレスがたまる現代人には欠かせません。
ビオチン:美肌や美しい髪の毛に欠かせません。
ビタミンC:アンチエイジングや美容、免疫力強化に必要です。
ミネラル
ミネラルは、体を支える骨の構成成分であるカルシウムやマグネシウムなどの多めに必要なものと、セレンなどの本当に少量でいいものとあります。どちらも重要な役割を果たしています。
カルシウム:骨を丈夫にします。
マグネシウム:カルシウムと共に骨を丈夫にします。
リン:カルシウム・マグネシウムとバランス良く、骨を丈夫にします。
鉄:貧血の予防に必要です。
銅:鉄の働きをサポートします。
ナトリウム:体の体液調整をしています。
塩素:消化液の原料になります。
カリウム:ナトリウムとのバランスで余分な水分を排出します。
亜鉛:新しい細胞を作る時に必要です。
セレン:強力な抗酸化作用で体を守ります。
モリブデン:プリン体の代謝を助けています。
イオウ:美しい肌と髪には欠かせません。
ヨウ素:甲状腺ホルモンに関連し、体の代謝を調整するサポートをします。
クロム:血糖値・コレステロールを正常に保つサポートをしています。
マンガン:体の色々な代謝に関わっています。
詳しくはそれぞれのページをご覧ください。
<参考>
厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf#search=’%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9F%BA%E6%BA%96‘
栄養素図鑑 牧野直子 新星出版社