タンパク質 非必須アミノ酸

非必須アミノ酸について

非必須アミノ酸は体内で他のアミノ酸から合成することができるアミノ酸です。だからといって不足すると体の修復が遅れる可能性もあります。非必須アミノ酸が不足すると、必須アミノ酸の一部がその合成に利用されます。

体の中で効率よく使われるためには、必須アミノ酸・非必須アミノ酸ともバランス良く食べることが大切です。

また、ひとつのアミノ酸を一日に10g以上摂取すると、ショック症状が起きることがありますので、注意が必要です。サプリメントなどで集中的にとるよりも、食事のバランスに気を付けた方が安全でアミノ酸のバランスも効率的です。      

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非必須アミノ酸

チロシン

チロシンは脳内でドーパミンやノルアドレナリンの材料となり、集中力を高めたり、うつ症状の改善に役立ちます。またメラニン色素を生成するので、細胞内部のDNAを守り白髪の予防にもなります。また成長や代謝に欠かせない甲状腺ホルモンの原料になります。体内ではフェニルアラニンから合成されます。

多く含む食品

チロシンはチーズなどの乳製品、たらこ、アーモンド、大豆、ピーナッツ、バナナやりんごやタケノコ、アボカドなどにも含まれます。タケノコを茹でた時に内部に付いている白い粉末はチロシンです。

システイン

システインは結合組織の強度を増して、組織の抗酸化反応を助けます。白血球の活性を高め、炎症の部位から痛みを取り去る助けになります。体の中ではメチオニンから再合成されます。皮膚や髪の合成に必要です。

食材以外では美容の成分としてやパーマネント剤としても使われています。

多く含む食品

肉や魚、卵などタンパク質源となる多くの食材に含まれています。ブロッコリー、オート麦、玉ねぎなどにも含まれます。            

 

アスパラギン酸

クエン酸回路に働きかけて、疲れのもととなる乳酸の分解を助けます。また筋肉や肝臓に貯蔵されて、すぐに使えるエネルギーのグリコーゲンの生成に関与します。体液のバランスを整えたり、代謝が良くなる助けをします。体に有害なアンモニアを解毒する作用があったり、肌の新陳代謝も促進します。

昆布に含まれるうま味成分で食品にも使われています。またフェニルアラニンと結合したものが甘味料のアスパルテームです。

多く含む食品

牛肉・豚肉・鶏肉・アスパラガス・大豆製品、大豆もやしなどに多く含まれています。

 

アスパラギン

アスパラギン酸とアンモニアが酵素の働きによってアスパラギンになります。アスパラギンは体内でクエン酸回路に関与し、エネルギーを効率よく作り出し、疲労物質の乳酸をためず、疲労回復に役立ちます。アンモニアの排出にも必要です。

多く含む食品

肉類や大豆、発芽もやし、アスパラガスに含まれます。

セリン

セリンは細胞のエネルギーの合成に重要なのと肌の水分を保つ働きもあります。また脳の神経細胞の材料で、脳の働きを助けます。免疫グロブリンや抗体をつくり免疫にも必要です。細胞膜の原料としても使われています。

食品以外でもシルクプロテインとしてシャンプーや化粧品に使われます。

多く含む食品

牛乳、大豆製品、いくら、かつお節などに多く含まれます。   

グルタミン酸

グルタミン酸は体の中で脳を活性化したり、アンモニアの解毒作用があります。筋肉や免疫を保つうえでも大切です。エネルギーの代謝にも必要です。グルタミン酸はうま味成分の1つでもあり、グルタミン酸ナトリウムのうま味調味料を日本人が開発しました。

普通の食生活をしていれば不足することはまずありません。化学調味料で摂りすぎになる場合もあります。過剰に摂りすぎると頭痛やのぼせ、手足のしびれなどが起きる場合があります。

多く含む食品

昆布などの海藻、イワシ、トマト、緑茶など  

グルタミン

グルタミンは体の中で最も多く存在するアミノ酸です。グルタミン酸との違いはグルタミン酸は脳の機能を低下させる恐れのあるアンモニアを体外に出す働きをし、グルタミンは腸の動きをサポートしたり、細胞を強く保ったり、免疫の機能に関与しています。アルコールの代謝も促進します。

多く含む食品

肉類・魚介類・卵・チーズ・大豆・トマトなど    

プロリン

プロリンはコラーゲンの主要構成アミノ酸で丈夫な筋肉、骨、美しい肌を作るのに必要です。体の中ではグルタミン酸からも作られます。脂肪を消化する酵素のリパーゼの働きを助けます。

多く含む食品

豚肉、ゼラチン、麩、大豆製品など    

 

グリシン

グリシンもコラーゲンを構成するアミノ酸です。またDNAやRNAの核酸の合成にも必要です。体内ではセリンやスレオニンから合成されます。グリシンは良い睡眠をとりやすくしたり、美肌に役立ちます。また抗うつ作用や砂糖への欲求を抑える助けもします。

多く含む食品

牛スジ・鶏の軟骨、豚足・エビ・カニなど 

 

アラニン

アラニンは結合組織の主要な材料で、体の多くの細胞に存在しています。タンパク質からエネルギーを得る過程でも重要です。また肝臓でアルコールの分解や肝細胞の修復にも必要です。

多く含む食品

しじみ・あさり・かに・海苔・レバーなど

 

アルギニン

アルギニンは成長ホルモンの分泌を促進したり、マクロファージを活性化させ免疫力を高める効果もあります。また体内で一酸化窒素を作り血管を拡張して血圧を下げたり、コラーゲンの形成、けがの回復を早めるなどの働きをします。乳幼児では準必須アミノ酸です。

多く含む食品 

鶏肉、大豆製品、牛乳、エビ、ナッツ類など   

<まとめ>

非必須アミノ酸は普段の食事をバランス良くとっていれば、ほぼ不足することなく、また体内でも作ることが出来ます。個々のアミノ酸というよりも、バランス良く食事をとることを意識しましょう。

 

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<参考>

ウィキペディア  システイン https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3

厚生労働省 e-ヘルスネット アミノ酸 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-001.html

わかさ生活 わかさの秘密  http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/tyrosine/

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