コバルトはあまり聞き慣れないミネラルですが、体には少量含まれています。
コバルトとは
コバルトは原子番号27の元素です。磁石の原料のほか、虫歯の治療に使われる合金にも含まれています。ガラス細工などに使われるコバルトブルーが有名ですね。1935年ごろビタミンB12にコバルトが含まれていることが発見されました。鉄が体内に十分に蓄積されているにも関わらず貧血が起こったことから、少量ではあっても、このミネラルの必要性が認められました。
成人の体内には約1.5㎎含まれています。コバルトは他のミネラルのように単独で働くことは出来ません。食事から摂ったコバルトの約15%は、腸内細菌によってビタミンB12へと変換されて、ビタミンB12として働くのです。その他のコバルトの働きは、まだ分かっていません。
コバルトの働き(ビタミンB12へ変換されてから)
・貧血の予防
コバルトはビタミンB12として、ヘモグロビンを作り造血に役立っています。悪性貧血を予防します。
・脳や神経の機能を維持
ビタミンB12として、神経の機能を正常に働かせるようにしています。
コバルトの必要量
コバルトはビタミンB12に重なるため、推奨量は定められていません。
コバルトの過剰症
普通の食事から、摂りすぎることはありません。
職業上の被ばくや摂りすぎると不眠、疲労感が増したり、ひどい場合は嘔吐、発疹、聴覚障害が起きることもあります。
コバルトの欠乏症
ビタミンB12の多く含まれる食品をとっていれば、不足することはほとんどありません。
悪性貧血、胃の手術を受けた人、高齢者、ベジタリアンの人は不足する可能性があります。
コバルトを多く含む食品
赤身肉、レバー、乳製品、貝類など
コバルトを効果的にとるために
ビタミンB12を含む動物性の食品に多く含まれていますので、それらをとっていればコバルトが不足する心配はありません。
納豆、もやしや干しワラビにも含まれているので、ベジタリアンの人はそれらの食材もメニューに加えてみましょう。
コバルトを効果的に摂るレシピ
牡蠣のソテー
材料2人分
牡蠣10個、塩コショウ少々、小麦粉大さじ2、オリーブオイル大さじ1、レモン1/2個、醤油適量、パセリ
①牡蠣は水でふり洗いをして、水気を良く切っておく。
②牡蠣に塩コショウをし、小麦粉をまぶす。
③フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、中火で牡蠣を入れて両面きつね色になるまで焼く。
④皿に盛り付けてパセリ粉をかけ、レモンを添える。好みで醤油をかけて出来上がり!
イメージ
<参考>
栄養素図鑑 牧野直子 新星出版社
食べて治す 最新栄養成分事典 中嶋洋子 蒲原聖可 主婦の友社
安全においしく食べるための新しい栄養学 吉田企世子 松田早苗 高橋書店