トマト

トマトは夏の野菜です。眩しい太陽の中で育った、真っ赤に熟れたみずみずしいトマトを食べるのは美味しいですよね!トマトのその赤い実は栄養もたっぷりです。

そんなトマトは、リコピンなどのは強力なファイトケミカルを持っているんです。

アンチエイジングの強い味方なのです。

 

トマトとは

トマトは南米を起源とした植物です。その昔一時トマト属に属していたこともあったのですが、今はナス属の分類となっています。

ハウス栽培によって通年流通はありますが、旬は夏の野菜とされています。7月~9月が時期の野菜です。単年植物で20~25度くらいの温度が適しています。そのため初夏や初秋のトマトが美味だという話もあります。

 

トマトの歴史

南米のアンデス山脈からもたらされた種を16世紀にメキシコのアステカ族が栽培を始めて、南米のヨーロッパ勢の支配によってトマトの種がヨーロッパに渡り、ヨーロッパでの栽培が始まったのです。しかし始めはトマトの酸味で皿の鉛成分が溶けだし中毒となるということから、毒リンゴとも呼ばれていました。そのため、しばらくは食用としては定着しなかったのですが、イタリアの貧困層の間で食用とする開発が進められ、18世紀に食用として広く流通することとなりました。

その後、ヨーロッパから北アメリカや日本を含めたアジア全体に広がっていきました。

日本では江戸時代に長崎に入ったのが最初とされています。ただ、酸味が強かったり、見た目からあまり広まってはいきませんでした。その後改良されて、明治時代には洋食文化と共に一般に広がっていきました。しかし青臭いことからあまり人気はありませんでした。

昭和になって美味しく食べやすく改良されてからは、人気の野菜となり食卓によく並ぶようになったのです。その後色々な種類のトマトが出回るようになり、お店でも色々なトマト料理が食べられるようになりました。

加工品のトマトケチャップ、トマトの水煮缶やトマトジュースなども手軽に使えて、味のアクセントとしても広く使われています。

 

トマトの種類

日本では生食用には、ずっとピンクトマトが主流でした。しかし近年、以前は加工用に使われていた赤トマトも生食用として多く出回るようになってきました。色の種類としては緑や黄色のトマトもあります。

世界では赤トマトが一般的です。トマトの種類は8000種類にものぼります。日本では120種類以上のトマトが登録されています。

大きさも色々あり、大玉トマト、中玉トマト、ミディトマト、ミニトマト、チェリートマトがあります。

最近では甘味を増したフルーツトマトも人気です。

 

トマトの選び方

良く色づいていて光沢と張りがあるもの、色づきが赤くて、実が堅くしまったもので、ヘタが緑色のもの、トマトの中央から放射線状に線が出ていた方が、味が良いものが多いです。

 

トマトの保存方法

冷蔵庫に入れるか、涼しい風通しの良い場所に保管しましょう。

 

トマトの栄養

トマトの栄養として注目したいのは、リコピン、ビタミンC、ビタミンP、βカロテン、グルタミン酸です。抗酸化のビタミンばかりで活性酸素に負けないパワーを与えてくれます。

リコピン :その強い抗酸化力はβカロテンの2倍とも言われています。トマトの赤い色素に含まれています。がん予防、動脈硬化予防、アンチエイジングに期待されています。

ビタミンC :ビタミンCも抗酸化ビタミンです。アンチエイジングや美容、がんの予防など期待されています。

ビタミンP:ビタミンCの働きを助けて、コラーゲンの合成や毛細血管を強くするなどの働きがあります。

βカロテン :体内でビタミンAに変換されます、抗酸化力も強く、アンチエイジングやがんなどの予防に期待されています。

グルタミン酸 :アミノ酸の一種でうまみ成分でもあります。そのため、トマトベースのスープはうまみがあり出汁の代わりになります。

 

トマトのリコピンは煮込み用のトマトに多く含まれています。リコピンは油に溶けやすい成分なので、油と料理するほうが吸収率が高いのです。またトマトにはクエン酸が含まれていますが、クエン酸は肉料理で肉のうまみを引き出して、グルタミン酸と合わさって相乗効果をもたらします。

 

トマトの加工品

トマトケチャップ、トマトソース、トマト水煮缶詰、ピザソース、ドライトマト、ドライチェリートマト、トマトジュースなど

 

トマト料理

トマト料理は世界中で多岐にのぼります。

日本で一般的なのは、生食ではサラダや冷やしトマト、カプレーゼなど。加熱したものでは最近はトマト鍋も人気です。

トマトソースとしてパスタのペスカトーレやミートソース、ピザなど

煮込み料理としてラタトゥイユ、鶏のトマト煮込み、ガスパチョなど

名前を挙げたらきりがないほどです。

 

東洋医学(薬膳的)からみた「トマト」

トマトは微寒性で熱を収める作用を持ちます。消化を促進して肝の解毒を助けるので、夏バテや「肝陽亢盛」の方に適しています。

唾液の分泌を促すため「陰虚」の人も良いでしょう。

水分を溜めやすく胃腸の負担になるので、「気血両虚」、「食積痰湿」の人は控えめにしましょう。

陽虚」の人は、生のもの、加熱したもの、どちらも控えめにしましょう。

東洋医学的効能

生津止渇:水分を補充し、渇きを収める

健胃消食:食欲を高め、消化を促進する

解暑清熱:体にこもった余分な熱を収め、暑気あたりを解消する

涼血平肝:血中にこもった余分な熱を収め、肝の機能を回復する

解毒:毒を解消する

 

アーユルヴェーダの見地より

ヴァータの体質の人は、トマトなどナス科の食品は控えた方が良いとされています。

 

手軽にできるトマト料理のレシピ

<トマトと卵の炒め物>

材料 2人分

トマト1個、卵2個、塩、コショウ、オリーブオイル、青ネギ少々

①トマトは食べやすい大きさに切る。

②卵は割りほぐす。

③フライパンにオリーブオイルを入れて、卵とトマトを入れる。

④良く混ぜながら塩コショウをし、卵に半分ぐらい火が通ったら火を止める。

⑤皿に盛り付けて、上に刻んだ青ネギを乗せる。                 イメージ

 

 

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<参考>

安全においしく食べるための新しい栄養学 吉田企世子、松田早苗 高橋書店

東宝栄養新書  梁 こうせんかく   メディカルユーコン

 

ウィキペディア  トマト https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%9E%E3%83%88

アーユルベーダ ライフ https://www.ayurvedalife.jp/constitution_diagnosis_of_ayurveda.aspx