ビタミンの種類と働き (ビタミン総論)
ビタミンと聞くとなんだかとても体に良い感じがしますが、そもそもビタミンってどんなもので、体にどう効果があるのでしょう?
知った上で効果的に摂った方が良いですよね!
ビタミンとは
ビタミンは5大栄養素(糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラル)のひとつで、体に必要な栄養素です。糖質・脂質・タンパク質とは違い、ほぼカロリーにはならず、必要な量はわずかです。ただその働きはとても広範囲なのです。体が問題なく働けるようにしたり、他の栄養素を無駄なく使う助けをしたり、新陳代謝を助けたり、免疫を高めて体を守ったり、肌や髪を美しくする助けをしたり、抗酸化作用でアンチエイジングなど、幅広く活躍しています。体の中で主にヘルパーとして働く存在なので、少量でも必ず無いといけないのです。
体に必要なビタミンの種類は13種類あります。単独で働く場合もあれば、チームワークでいくつかのビタミンが合わせて共同作業をしているところもあります。そのため、ひとつのビタミンだけ多く摂取しても効率的ではありません。
体の中で合成できるものもありますが、多くは食事からの補給が必要です。必要な量をバランス良く摂ることが大切です。年齢や体格だけでなく、生活状況によっても必要量が変わってきます。ダイエットをしている人、偏食のある人、高齢者、ストレスが多い人、喫煙者、飲酒量が多い、甘いものが好きな人などは、いくつかのビタミンが不足するリスクがあるので、欠乏症にならないように注意しましょう。
食事からであれば、摂りすぎを心配することはほぼありませんが、サプリメントで摂取する場合は摂りすぎに注意する必要があります。ビタミンも多ければ良いというわけではなく、多くとりすぎると過剰症というものがあります。生活スタイルに合わせてビタミンを摂ることが大切です。
ビタミンの種類は大きく分けて2種類あります。油に溶ける脂溶性ビタミンと水に溶ける水溶性ビタミンです。
脂溶性ビタミン
脂溶性のビタミンは油と一緒にとると吸収されやすくなります。脂溶性のビタミンは多く摂りすぎると肝臓に蓄積されて、過剰症になる可能性があります。
ビタミンA:ビタミンAは皮膚や粘膜、目の健康には欠かせません。免疫力を高めて体を守ります。
ビタミンD:骨を強くしたり、免疫やアレルギーの症状を緩和する働きをします
ビタミンE:活性酸素から健康や美しさを守ります。アンチエイジングには欠かせません。
ビタミンK:血液の凝固や骨の健康を保つために必要です。
水溶性ビタミン
水溶性のビタミンは水に溶けて熱に弱いものが多いため、洗っている時間が長かったり長時間火にかけたりすると減少してしまいます。また長期保存すると減少するものが多く、なるべく新鮮なものを購入して早めに使うようにしたり、保存方法にも注意する必要があります。体の中に蓄積しておけないので、使わない分は尿として外に排出されます。そのため、こまめに摂ることが必要です。
ビタミンB群
ビタミンB1:糖質の代謝や疲労回復に必要です。
ビタミンB2:脂質の代謝や美肌作りに役立ちます。
ナイアシン:アルコールの分解やタンパク質が体の中で使われるのに役立ちます。 詳しくはこちら
ビタミンB6:タンパク質が体の中で使われるのに役立ちます。皮膚や神経を健康に保つ上で必要です。 詳しくはこちら
ビタミンB12:赤血球の生成を助けて貧血予防を行ったり、脳神経や末梢神経がきちんと働けるように助けています。
葉酸:赤血球やDNAをつくるのに役立ちます。妊婦の方は必見です。
パントテン酸:ストレスを緩和する働きがあったり、糖質・脂質・タンパク質をエネルギーに変わる時に必要です。
ビオチン:肌や髪の毛を健康に保つために必要です。
ビタミンC:ビタミンCは一番有名なビタミンかもしれません。体の中で活性酸素を抑えたり、美しく健康な肌をつくるためにも必要です。発がん物質を抑える働きがあります。美容やアンチエイジングにも欠かせません。免疫力を強める働きもあります。
ビタミンはお互いに助け合って働いています。一つのビタミンを集中してとるよりもバランス良く摂った方が効果的です。ビタミン類はそれぞれ色々な食品に入っています。過不足なく摂るためには、なるべく色々な食品を食べることをお勧めします。特に野菜はビタミンの宝庫でもありますので、意識して食事にとり入れましょう。
<参考>
栄養素図鑑 牧野直子 新星出版社
食べて治す 最新栄養成分事典 中島洋子 蒲原聖可 主婦の友社