イオウと言うと、温泉というイメージが強いかもしれません。
実は体の中にも少量あるのです。
イオウとは
イオウは原子番号16番の元素です。あの特有な臭いのため、温泉やゆで卵の匂いとしての印象が強いですね。
成人で約120~160g含まれています。特に髪の毛と爪に多く存在します。
アミノ酸では、システインやメチオニンに含まれています。ビタミンB1やビオチンにも含まれていて、生体内の代謝においてとても重要な役割を果たしています。
それにタウリンにも含まれています。タンパク質の働きを助けます。
また体外では、化粧クリームやワインの酸化防止剤としても使われています。ニキビや水虫の薬にも少量入っているものもあります。
イオウの働き
・髪の毛、爪、肌をつくる
アミノ酸のシステインやメチオニンから、ケラチンという髪の毛や爪に多く含まれる成分になります。強い爪、美しい髪の毛や肌を作っている成分のひとつです。
・腱、軟骨、骨をつくる
腱や軟骨の成分であるコンドロイチン硫酸の構成成分になります。
・糖質や脂質の代謝に関与する
ビタミンB1やビオチンとして糖質や脂質の代謝に関わっています。
・ヘパリン、タウリン、インスリンの構成成分
これらの成分の一部となり、代謝を助けます。
・解毒作用
イオウを含む低分子ペプチドのグルタチオンとなり、細胞内で還元剤としてや解毒作用を行っています。有害ミネラルなどを体外に出しています。
・胆汁の分泌を助ける
イオウの摂取基準
イオウの摂取基準は、特に定められていません。
イオウの過剰症
食品からの摂取では、過剰症の心配はありません。
サプリメントなどで摂りすぎると、動脈硬化、嘔吐、めまい、白血球の低下が起きる恐れがあります。
イオウの欠乏症
イオウは、普通にタンパク質の食材をとっていれば自然に一緒にとれるので、欠乏症にはなりにくいのですが、ベジタリアンの人は不足する可能性があります。ベジタリアンの方は、イオウが含まれるものを意識してメニューに加えてください。
欠乏症の症状は、髪が抜ける、爪が弱くなる、関節炎、皮膚炎、シミができるなどの症状が起こります。
イオウを多く含む食品
タンパク質を含む食品に多く含まれています。
肉・魚・卵・牛乳・大豆製品など、多くの食品に含まれています。
また玉ねぎ、ニンニクにもイオウ化合物が入っています。
ベジタリアンの方向け、イオウを意識したメニュー
<にらと玉ねぎと厚揚げのニンニク炒め>
材料2人分
厚揚げ1枚、ニラ1/2束、玉ねぎ1個、ニンニク1カケ、油大さじ1、ごま油適量、醤油大さじ1、豆板醤適量、みりん大さじ1
①厚揚げは熱湯をかけて、油抜きをする。水気をとったら縦に半分に包丁をいれて、横1cmの厚さに切っておく。
②玉ねぎはくし切りにし、ニラは5cmくらいに切っておく。にんにくは薄皮をむき薄切りにする。
③フライパンに油とニンニクをいれて香りが出るまで炒める。
④玉ねぎを入れて、少ししんなりしたら厚揚げとニラを入れる。
⑤全体的に火が通ったら、みりんと醤油、豆板醤を入れて味をつける。
⑥最後にごま油をたらして出来上がり!
イメージ
<参考>
国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail613.html
ウィキペディア イオウ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%82%E8%82%AA
臨床栄養ディクショナリー 山本みどり 佐々木公子 大池敦子 メディカ出版
栄養素図鑑 牧野直子 新星出版社