中国の長い歴史の間に色々な種類のお茶ができ、人々の生活と共に楽しまれてきました。
お茶は発酵の度合いで6種類に分かれます。
その6種類のうち、中国茶1では緑茶、青茶(烏龍茶)、白茶についてお伝えしました。
今回は、黄茶、黒茶、紅茶について紹介します。
黄茶
黄茶は軽い後発酵茶です。代表的な黄茶には「君山銀針」があります。黄茶は(ホアンチャ)と呼ばれます。このお茶の歴史は古く、前漢時代から作られていたと言われています。工程は緑茶と似ていますが、「悶黄(「もんおう)」と呼ばれる熟成工程があります。緑茶のように新鮮なお茶を高温で一定の湿度において、軽く発酵させるのです。
黄茶は茶湯は黄色く黄金色に輝き、フレッシュさとまろやかさがあり、深みのある香りが楽しめます。
希少価値が高く、かなり高価で取引されています。
黄茶に含まれる成分
カフェイン、テアニン、カテキン
属性
寒熱「平」
潤燥「潤」
五味「甘」
東洋医学的効果
・ストレス解消、気を落ち着かせる
・肌や粘膜を潤し、新陳代謝を高める
・胃腸に優しい
体質相性
どんな体質にも特に不利な面がありません。
しかし子供は、カフェインが含まれているので飲まない方が良いでしょう。
※美味しい淹れ方
3gの茶葉を急須に入れて、熱湯でさっと一度洗い流します。その後再度熱湯を入れて茶葉が踊るのがおさまったら、器に注ぎます。茶葉が踊る様子が美しいので、透明の急須があると楽しめます、
イメージ
プーアル茶(黒茶)
プーアル茶(黒茶)は後発酵茶です。作り方は他のお茶とは異なり、茶葉そのものの酵素による発酵ではなく、麹菌を使って100%発酵させます。まずは緑茶の工程で行い、出来た茶葉を高温で湿度の高い場所に寝かせて、微生物を作用させ2回目の揉捻のあと完全に乾燥させます。出来上がった茶葉は20年以上保存できます。ワインのように古いものが珍重されて高級になります。
プーアル茶も歴史があり、唐の時代には飲用されていました。産地は雲南省が有名ですが、四川省、広西省でも生産されています。
プーアル茶に含まれる成分
タンニン、カテキン、カフェイン
東洋医学的効能
健胃消滞:胃の機能を高め、食滞を解消する
解膩除脹:消化を助け、腹の張りを解消する。
生津潤喉:唾液の分泌を促し、喉を潤す。
化痰減肥:痰を除去し、肥満を解消する。
解熱:腸チフスを抑制し、解熱する。
その他、ストレスや疲れを緩和する。
体質相性
胃腸の弱い方が空腹時に飲むと胃を刺激して負担になります。
「気血両虚」「陰虚」「陽虚」「老人」「妊婦」は控えめに
「小児」はカフェインを含むので飲まない方が良いでしょう。
※プーアル茶は、急須に入れて必ず沸騰したお湯で1度洗い流してから、再度沸騰したお湯を入れて5分蒸らします。お湯を注ぎたし、数回飲むことができます。
紅茶
紅茶の産地はインドやスリランカが有名ですが、中国でも生産されています。「キーマン紅茶」が有名です。紀元1000年ごろ、宋の時代には出来ていました。
キーマン紅茶は世界3大紅茶のひとつで、茶葉はつやのある黒色で、茶湯は華やかな赤色、香りはランの花に似ていると評されています。95~100度で2分間抽出するのが美味しく入れるコツです。
紅茶は完熟した葉を100%発酵させたお茶です。18時間程度かけて水分を蒸発させて、発酵が始まったら揉捻します。酸化が進んで色が薄緑になったらさらに発酵させます。最後に加熱して発酵を止めて、乾燥させ製品化します。
紅茶の成分
タンニン、カフェイン
紅茶の属性
寒熱 「温」
収散 「収」
臓腑「脾・胃・腎」
五味「渋・苦・甘」
東洋医学的効能
醒脳明目:視力を改善し、脳の集中力を高める。
生津止渇除煩:唾液などの分泌を促して、喉の渇きやストレスを解消する。
利尿:利尿効果がある。
清熱解毒:余分の熱を収め、解毒する。
体質相性
「肝陽亢盛」の高血圧、肝炎の方には合わないので、緑茶の方が良いでしょう。
「陰虚」利尿作用が強いので控えめにしましょう。
「妊婦」「小児」カフェインが多いので、控えた方が良いでしょう。
<参考>
東方栄養新書 梁こう千鶴 メディカルユーコン