秋になると真っ赤に熟れた甘酸っぱいりんごが店頭に出てきますね。長い時期楽しむことができる貴重な果物です。
りんごの名前の由来
平安時代の書物「倭名類聚抄」で、りんごについて書かれているところに「利宇古宇(りうこう)」と記述があります。それが転じて「りんご」になったと言われています。また「林檎」という漢字はは中国語からきています。
りんごの歴史背景
りんごの原産ははっきりしていませんが、西アジア、コーカサス地方ではないかと言われています。ヨーロッパでは古くから食べられてきました。4000年前のスイスの遺跡から発掘されています。その後ヨーロッパに広がっていきました。世界的には7500種類以上が栽培されているといわれています。
日本では、中国から和リンゴが入ってきたのが最初といわれています。何時なのかははっきりしていませんが、平安時代の書物に名前があります。その後、戦国時代や安土桃山時代の書物にも記載があります。
江戸時代にアメリカから西洋リンゴが入ってきて、だんだんそちらの栽培が中心になっていきます。そして日本独自のりんごに改良もされて、現在のような美味しいリンゴが出回るようになっているのです。
りんごの種類
ふじ:収穫期10月 日本で最も多く流通している品種、海外でも人気で名前も有名です。甘味が強く、歯ごたえも良いのが特徴です。比較的長持ちします。
紅玉:収穫期9月~10月 やや小玉で、赤い美しい皮と酸味が特徴の林檎です。アップルパイなどの菓子作りにも使われることが多いです。
津軽:収穫期8月下旬から9月で、果汁が多く、甘味が強く実が比較的やわらかいのが特徴です。
むつ: 比較的大玉で、贈答品としても用いられることが多いです。緑のままで流通しますが、最近は赤くなっているものも増えています。
レッドデリシャス:収穫期9月中旬から10月で、アメリカから入ってきたりんごで甘味が強いのが特徴です。
王林:収穫期10月中旬からです。長持ちするのが特徴で、春先まで保存できます。緑や黄色の皮に斑点があり、香りや甘さが強いです。
ジョナゴールド:収穫期9月中旬~10月上旬です。酸味と甘味のバランスが良く、シャリシャリ感があります。料理やお菓子作りにも使われることの多い品種です。
このほかにも沢山の品種が出回っています。
りんごの流通
青森県、長野県の生産量がダントツに多く、国内生産の75%を占めています。その他、山形県、岩手県、福島県、秋田県が主な生産地です。
りんごは保存ができ、低温倉庫などで保管されます。長期保存の場合は、低温低酸素高二酸化炭素の環境で保存されて、出荷されます。
りんごの選び方
ヘタが付いている部分が太くしっかりしていて、ずっしりと重量感のあるもの。香りが良く、傷のついていないものを選びましょう。
りんごの保存方法
低温の冷暗所で風通しの良い場所に保存しましょう。
切った後は切り口が褐色に変色するので、塩水かレモン汁につけると変色が防げます。
りんごの料理、加工品
生食、サラダ、アップルパイ、ジャム、コンポート、ジュース、シードル、りんご飴、ドライりんごなど
りんごの栄養
果糖、ぶどう糖などの糖質、ペクチンなど食物繊維、りんご酸、クエン酸、酒石酸、フラボノイド、エピカテキン、カリウムなどを含みます。
東洋医学からみたりんご
寒熱 「平(涼)」
昇降 「降」
潤燥 「潤」
臓腑 「五臓六腑」
五味 「甘、酸」
東洋医学的効能
「生津潤肺」津(唾液など)の分泌を促し、肺を養い機能を回復します。
「清熱除煩」熱を収め、イライラを解消
「開胃醒酒」食欲を増し、二日酔いを解消
体質相性
「食積痰湿」消化不良があり、下痢や便秘がちな方に良いです。
「肝陽亢盛」の高血圧の人にも良いでしょう。
「気血両虚」の胃腸の弱い方は量を控えめに
「陽虚」のかたも控えめにしましょう。
りんごの美味しいレシピ
りんごのコンポート
材料 りんご2個、砂糖大さじ2、塩ひとつまみ、シナモン適量
①りんごは皮をむき、八等分に切り種を取りスライスにする。
②鍋にりんごと砂糖を入れて火にかける。
③りんごに半分火が通ったところで塩を入れる。
④全体的に透き通ってきたら、火を止めて冷ます。
⑤器に盛り付けて、上からシナモンを振って出来上がり!
イメージ
<参考>
ウィキペディア りんご https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B4
東方栄養新書 梁こう千鶴 メディカルユーコン