秋の味覚  梨(日本ナシ)

 

みずみずしくジューシーな梨は、夏の渇きを潤し、秋の豊かさを感じるフルーツですね。

 

梨の由来

梨の名前の由来は、いくつか説があります。
江戸時代の学者新井白石は、中が酸っぱいことから中酸(なす)」が転じてナシと言ったという説。また中が白いから、「ナカシロ」「色なし」から転じたという説。風が吹くとならないため風なし」。中国の「梨子(らいし)」からという説があり、どれが本当かはわかっていません。

 

梨の歴史背景

梨は古くからあり、中国では2500年前から栽培されていました。ヨーロッパにもありました。日本ナシは日本に野生していたものが原種です弥生時代の遺跡から種が発見されています。奈良時代には、柿やみかんと共に季節に食されていた果物でした。日本書紀にも、その名前は出てきています。

江戸時代には栽培が盛んになり、100を超える品種が栽培されていました。
その後、明治時代に千葉県で20世紀が、神奈川県で長十郎が発見されて、人気の梨となりました。昭和に入り太平洋戦争後に豊水、新水、幸水の3つがでてきて、主流になりました。

 

梨の流通

日本ナシの旬は8月~9月です。種類によって時期が変わってきます。

産地は千葉県、茨城県、福島県、栃木県、鳥取県、長野県が多いのですが、その他の地域でも作られています。

 

梨の種類

梨は大きく分けて、日本ナシ、西洋ナシ、中国ナシがあります。

日本ナシの特徴は、シャリシャリした食感とみずみずしい爽やかな甘さにあります。
日本ナシの種類では、幸水、豊水、新高、二十世紀がメジャーですが、新種も多く出ています。

幸水:赤梨系の早生種で8月ごろに収穫されます。日本でもっとも生産量が高く34%を占めています。酸味が少なく甘味が強いのが特徴です。果肉は柔らかく果汁も多くジューシーです。日持ちが短く長くは保存できません。

豊水赤梨系の中生種で9月ごろ出回ります。生産量は2位の30%程度を占めます。幸水よりやや大きめで、糖度が高く程よい酸味とバランス良く濃厚な味が特徴です。果汁も多くみずみずしい味わいです。日持ちは幸水よりも持ちます。

二十世紀青梨系の中生種で9月中旬頃から出回ります。和なし生産の13%を占め第3位の生産量です。甘みと酸味が程よいスッキリとした味わいです。

新高赤梨系の晩生種で生産量4位の梨です。10月中旬から11月初旬頃に出回ります。赤梨ですが青梨の特徴も持ち、深い味わいが楽しめます。果汁が多く、シャリシャリ感が強く、程よい甘さと酸味があります。抜群に日持ちが良いのが特徴です。

これらの梨のほか、南水、長十郎、愛宕、晩三吉、多摩、新水、あきづき、雲井、彩玉、稲城、新甘泉、にっこり、きらり、ゴールド二十世紀、おさ二十世紀、おさゴールド、菊水、なつひめなども出回っています。

 

梨の選び方

皮が透き通った感じで、肩の張っているもの重みのあるものが良いです。

 

梨の保存方法

風通しの良い涼しい場所で、ぶつからないように保存しましょう。ぶつかると当たったところから傷みます。保存できるのは基本的に短期間です。食べる半日前くらいに冷蔵庫に入れましょう。ずっと冷蔵庫で保管すると甘みが少なくなります。

 

梨の栄養価

水分が多いのと、糖質(ショ糖、果糖、ソルビトール、ブドウ糖)とカリウムです。ビタミン類は、ほとんど含みません。

「プロテアーゼ」というタンパク質分解酵素を含んでいます。

 

東洋医学(薬膳)からみた梨

寒熱:「

潤燥 :「

昇降 :「

東洋医学的効能

生律潤燥: 唾液の生成を促進し、乾燥した体を潤す

清熱化痰 :  毛細血管の循環障害を改善する

除消渇  :  糖尿病の症状を改善する

体質相性

陰虚」で体内の水分が不足し、微熱がある人には良いです。

肝陽亢盛」で高血圧のある人には、熱を収め血圧を降下させるので良いです。

老人」粘りの多い痰がある人は、毎日少しずつ食べると良いでしょう。

陽虚」で冷え症があり、よく腹痛が起きる人は合わないので食べない方が良いです。

気血両虚」「小児」の人は食べ過ぎないようにしましょう。

 

梨を使った美味しいレシピ

梨が沢山ある時には、子供も喜ぶこんなメニューはいかがですか?意外な美味しさが癖になります。

梨カレ

材料4人分

梨2個、豚小間肉200g、玉ねぎ2個、ニンジン1本、油、カレールー4人分、コンソメ1キューブ、塩、胡椒、ベイリーフ2枚、ご飯

①玉ねぎはくしぎりにし、ニンジンは厚めのいちょう切りにする。

②鍋に油を入れて玉ねぎを入れ、透明感がでてしんなりするまで中火で炒める。

③梨を角切りにする。

④鍋に豚肉と人参も入れて、炒めて火が通ってきたら水とコンソメを加える。

⑤ひと煮立ちして、アクを取ったらカレールーとベイリーフを加えて煮込む。

⑥角切りにした梨を加えて、味をみて塩コショウをいれる。

⑦味が決まったら梨には火が通りすぎないうちに、火を止める。

⑧器にご飯をのせて、その上からカレーをよそり出来上がり!

 

 

 

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<参考>

ウィキペディア 梨  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B7

 

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