近海で獲ることができる「いわし」は、昔から日本の食文化に欠かせないものでした。
いわしの特徴
いわしは海水魚の背中が青い青魚の一種で、含まれる脂質にはEPAやDHAを含んでいます。
体側に黒い斑点があるのがマイワシです。大き目のものを「大羽」、中くらいの大きさのものを「中羽」、小ぶりのものを「小羽」と呼んでいます。煮物、焼き物、フライ、刺身、すり身にしてつみれなど幅広い料理を楽しむことができます。
煮干しに使われるのはカタクチイワシです。
ウルメイワシは小ぶりのものは煮干しに、大きいものはめざしや缶詰など加工品に使われることがほとんどです。
いわしの歴史背景
いわしは日本近海で獲れたこともあり、昔から日本人に馴染みの深い魚でした。縄文・弥生時代の遺跡にもその痕跡は残っています。平安時代の「延喜式」にもつみれ汁などの記録が残っています。
その後もずっと大衆魚として、低価で人々に愛され貴重なタンパク源として一般的に食べられてきました。しかし数年は水揚げ量が激減していて価格も上昇しています。
いわしの名前の由来
いわしは、「鰯」と書きますが、とても鮮度が落ちやすいことから弱いという字が当てられたと言われています。また、ヨワシが転化してイワシとなったという説があります。
いわしの流通
まいわしの旬は2月から3月です。いわしの種類は、まいわし、うるめいわし、かたくちいわしがあります。
主な陸揚げ港は千葉県や茨城県です。
いわしの選び方
いわしは、とても傷みやすい魚なので鮮度が重要です。1尾丸ごと購入する場合には、目が濁っておらず澄んでいるもの、身が張っていてピンとしているもの、鱗があまり剥がれていないものを選びましょう。
いわしの下処理
いわしをまるごと購入した場合は、すぐに頭と腹わたを取り除いて水洗いしましょう。
いわしの保存方法
いわしは傷みやすく、保存できません。早めに食べましょう。
いわしの加工品
いわしの丸干し、煮干し、しらす、ちりめんじゃこ、たたみいわし、つみれ、さつま揚げ、缶詰、アンチョビなど
いわしの栄養
タンパク質のほか、脂質も多く含んでいます。その脂質の中にDHAやEPAを含んでいます。また、骨まで食べられる魚としてカルシウムの宝庫でもあります。その他、ビタミンB群やビタミンD、ビタミンEなども含んでいます。
東洋医学からみたいわし
属性
寒熱:平性
潤燥:潤
臓腑:脾・胃・心・腎
五味:甘
東洋医学的効能
益気化湿:気を高め、余分な水分を排出する。
寧心補腎:腎を補給し、苛立ちを解消する。
体質相性
・脂の多い魚なので、もともと消化不良のある「食積痰湿」の人は控えめにしましょう。
・「陽虚」の方は、タンパク質を摂りすぎるともともと疲れ気味の腎臓に負担がかかりますので、多くとりすぎないようにしましょう。
いわしの美味しいレシピ
いわしの生姜煮
材料
まいわし4尾、生姜1カケ、砂糖大さじ1、酒大さじ2、みりん大さじ2、醤油大さじ3
①いわしは頭と内臓を取り除き、水洗いする。水分を拭き取る。
②生姜は皮の汚れているところは取り除き、スライスに切る。
③鍋に水を魚がヒタヒタに入る程度に入れる。調味料を全て入れて、生姜も加え中火にかける。
④鍋の調味液が煮立ったら、いわしを入れる。
⑤再度、煮立ったら、落とし蓋かキッチンペーパーを落とし蓋の代わりに乗せる。そして煮崩れないように火を弱めて30分程度煮る。
⑥魚に火が通ったら一度火を止める。食べる直前に再度加熱する。
イメージ
<参考>
東方栄養新書 梁こう千鶴 メディカルユーコン
ウィキペディア いわし https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%