牡蠣

これからの時期は牡蠣が美味しくなる季節です。「海のミルク」とも呼ばれる栄養たっぷりの牡蠣は秋冬を代表する食材ですね!

 

牡蠣の名前の由来

海の岩から「かき落とす」ことから、牡蠣(かき)と名前が付いたと言われています。

この「牡」という漢字が使われるようになったのは、江戸時代からで性別を調べたところどれもオスだったというところからきたようです。実際は牡蠣は雄雌同体で時期によって性別が変わります。

 

牡蠣の歴史背景

2億9千5百万年前のペルム紀にはもうすでに出現していたとされています。世界では1万年前の遺跡から出土されているところもあります。古代ギリシャ、ローマ帝国でも食べられてきたようです。

日本でも、縄文時代にはすでに食べられていた遺跡があり、養殖されていたと思われる痕跡もあります。その後もずっと美味しくて栄養たっぷりの貴重な食材として愛されてきました。

今も産地で有名な広島湾では、300年前くらいから養殖されています。大正時代に垂下式養殖法が開発されてからは、全国に養殖生産が広まりました。

 

牡蠣の種類(日本で流通している種類のみ)

マガキ:世界的に一番多く生産されている種類です。冬が旬で、日本では北海道、岩手県、宮城県、兵庫県、岡山県、広島県で養殖されています。

岩ガキ:マガキとは違い夏が旬です。殻の色が茶色っぽく、やや大きめです。天然と養殖とがあります。

スミノエガキ:有明海近辺のみでとれて、あまり出回りません。

 

牡蠣の流通

マガキは秋から冬にかけて出回ります。カキはRが付く月のみというのは、マガキに対してで、9月から4月ごろまでを指します。

逆に岩ガキは春から夏が旬なのです。そう考えると一年中牡蠣を楽しむことができますね。

産地は広島県、宮城県、岡山県が有名ですが、北海道から九州まで産地があります。大正時代までは東京湾でも生産されていました。

 

牡蠣の選び方

出回っているものはほとんどが養殖です。

殻付きのものは、温度管理などが良いお店で新鮮な必ず生きているもの、持ってみて殻が厚く身がずっしりと入っているものが良いです。

むき身は、白い身がぷっくりと張りがあって丸みをおびているものひだの色が濃いものが良いです。

生食用加熱用があるので、用途によって使い分けましょう。
生食用は、保健所の指定した沖合の海域で生息し、紫外線殺菌水などで処理したものです。
加熱用は、比較的岸から近い沿岸を含む全ての海域で生息したものです。

 

牡蠣の下処理

牡蠣の身は柔らかいので、優しく扱います。牡蠣の身は海水程度の塩水大根おろし、または片栗粉で軽く揉み洗いし、汚れを落とします。その後2回ほど真水でふり洗い(流水)します。洗った後は優しくペーパータオルで水分を取ります。

料理にもよりますが、牡蠣に酒を振りかけておくと生臭みは消えやすくなります。

 

牡蠣の保存方法

牡蠣は新鮮なうちに食べましょう。

 

牡蠣の調理に関して

牡蠣は、風味良く美味しく食べるには火を通しすぎないことが大切です。火を通しすぎると固くなります。しかし、加熱用の方は加熱が不十分だと食中毒になる可能性もあります。

牡蠣の中心温度が85度~90度を90秒以上加熱することでノロウイルスを防ぐことができますので、火の通りを見極めることが大切です。火の通りは少なすぎず多すぎずが基本です。鍋の場合は沸騰を少し抑えてから入れましょう。

 

牡蠣の食中毒

牡蠣の有名な食中毒には「ノロウイルス」があります。そのほか、大腸菌、腸炎ビブリオ、貝毒によるものなどがあります。

それを防ぐためには、信頼できるお店で新鮮なものを購入し、上記の加熱を行うことや、前後の取り扱いも注意が必要です。

下処理中の手洗い使用した道具の消毒なども必ずしっかりと行いましょう。

 

牡蠣の料理・加工品

牡蠣の名物料理は、生ガキ、カキフライ、牡蠣鍋、焼き牡蠣、牡蠣のソテー、カキ飯、牡蠣の土手鍋など多数あります。

加工品では、オイル付け、オイスターソース、カキ醤油、干し牡蠣などもあります。

 

牡蠣の栄養

牡蠣はとても栄養に富んだ貝で、タンパク質、グリコーゲン、亜鉛、銅、鉄、ビタミンB6、ビタミンB12を含んでいます。

 

東洋医学からみた牡蠣

寒熱「温(身)

潤燥「

臓腑「肝・胆・腎

五味「甘(身)鹹

 

東洋医学的効能

補虚調気血:血行を良くし、生理不順、生理痛を改善する。

美顔(肌):冬季に肌を滋養して美顔に効果がある。

身肉は甘味で「温性」、肝臓の機能を強化する効果があります。

 

体質相性

気血両虚」胃腸が弱い方は量を控えめに一日1個位が良いでしょう。

肝陽亢盛」高血圧のある方は控えた方が良いでしょう。

※東洋医学では牡蠣の殻も使います。

                 東方栄養新書より

 

牡蠣の美味しいレシピ

牡蠣のアヒージョ

材料2人分

牡蠣6個、ニンニク2かけ、唐辛子、塩、オリーブオイル、ブラックペッパー、ブロッコリー、椎茸4枚

①牡蠣は下処理をし、キッチンペーパーで水分をしっかりとる。ブロッコリーを洗って小分けにし、水分をしっかりとる。(水分をとらないと油に入れた時激しくはねます。)椎茸は石づきをとり、サッとふいて半分に切る。

②小さい鍋に(できれば鉄なべ)ニンニクとオリーブオイルを入れて弱火にかける。

③牡蠣、ブロッコリー、椎茸、唐辛子、塩、胡椒を入れて、火が通るまで弱火で煮て出来上がり!


 

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牡蠣の酒蒸しパプリカ添え

材料二人分

牡蠣8個、パプリカ赤1/2、黄1/2、酒、塩、醤油

①牡蠣は下処理をして、キッチンペーパーでしっかり水分をとり、酒を振っておく。

②蒸し器を温める。

③パプリカは短冊切りに切る。

④②の蒸し器に牡蠣とパプリカを入れて蒸す。

⑤蒸しあがったら、器に盛り付けて好みで塩や醤油をかける。またお好みでレモンやゆず、かぼすをかけても美味しいです。

 

 

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<参考>

ウィキペディア牡蠣 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%AD_(%E8%B2%9D)

 

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