色々な料理に使用でき、普段から常備しておきたいものの一つ「生姜」
肌寒くなってくる季節に、心も体も芯から温めてくれる生姜は必需品ですね。
生姜の名前の由来
大陸から「ミョウガ」と一緒に入ってきました。それで香りの強い方を「兄香(せのか)」、香りの弱い方を「妹香(めのか)」と呼ばれたとされています。それが転じて「兄香」が「しょうが」「妹香」が「みょうが」となったという説が有力です。
生姜の歴史背景
生姜は熱帯アジア、おそらくインドが原産と見られていますが、はっきりしたことはわかっていません。インドでは紀元前500年ごろには、保存食や医薬品として使われていたようです。中国でもやはり古くから使われてきたいる記述があります。
日本には2~3世紀ごろに中国から入ってきました。奈良時代には栽培が始まり、「古事記」にも生姜の名前が出てきています。
江戸時代には、おろし生姜が一般的でした。蜜や砂糖に漬けた生姜は珍重されていました。
生姜の種類
根ショウガ:地下の根茎部分を食用にしたもので、根ショウガの新物は9月から10月ごろに収穫されます。それから寝かせて11月~12月ごろから出荷されます。これを貯蔵して通年出荷します。これが露地物で秋が本来の生姜の旬なのですが、初夏のイメージが強いのはハウスで栽培されたものの収穫がその時期に当たるからです。
前年収穫して保存してあるものを「ヒネショウガ」ともいいます。
新ショウガ:上記の通り、本来の新ショウガの時期は11月なのですが、ハウス物の出荷が多いので、初夏に新ショウガとして出荷される白くて小さめな生姜のことです。根茎がまだ柔らかく、筋張っていないのが特徴です。
葉ショウガ:初夏に採れるハウス物の新ショウガを葉ごと出荷されるもので、「はじかみ」として料理に用いたり、味噌をつけて食べます。谷中生姜が有名です。
生姜の流通
日本では、高知県が一番の出荷量です。そのほか、熊本県、和歌山県、宮崎県、千葉県などが多く出荷しています。
また中国からの輸入も多くあります。
生姜の選び方
皮にしわがなく、張りとつやがあり、色がきれいなものを選びましょう。皮が乾いている感じのものは避けた方が良いです。
生姜の保存方法
低温と乾燥に弱いので、冷蔵庫に入れると早く傷んでしまいます。冷蔵庫に入れる場合は、乾燥しないように袋に入れるか、ラップに包みましょう。すりおろしたものを小分けにして、冷凍するとすぐに使えて便利です。
生姜の栄養価
生姜は一度に食べる量が少なく、そこから摂ることが出来る栄養は僅かですが、香りや薬味として楽しむ事ができ、薬効成分としてショウガオール(ジンゲロール)の有効成分を体内で利用できることが期待されます。
・ショウガオール:生姜の辛み成分ジンゲロールは、加熱をするとショウガオールに変わります。鎮痛作用、抗菌、血行促進作用があります。
東洋医学(薬膳)からみた生姜
寒熱 :「微温」
昇降 :「昇」
収散 :「散」
臓腑 :「肺、脾、胃」
五味 :「辛」
東洋医学的効能
解表散寒: 寒気を追い払い、風邪に効果がある。
温肺止咳: 肺の機能を高め、咳を止める。
温中止嘔: 胃腸を温め、胃腸の冷えを伴った嘔吐を止める。
除臭解毒: 食物の生臭さを除き、毒を解く。
体質相性
「気血両虚」で胃腸が弱い方は、生姜は胃腸を温めるので適しています。
「陽虚」で冷え性の方にも、生姜は温める作用があるので適しています。
生姜は微温性で体を温めること、発散の作用もあるので、風邪に用いられることが多いのですが、体質が合わない人もいます。
「陰虚」の人は、発汗によりさらに陰液を損なってしまうのでお勧めできません。
「肝陽亢盛」で高血圧の方は、生姜は気を昇らせる性質があるのでお勧めできません。
また、皮膚病がある方も控えめにしましょう。
2)「東方栄養新書」より
生姜の温まる美味しいレシピ
サムゲタン風ジンジャースープ
鶏手羽元100g、大根100g、米10g、生姜1カケ、なつめ、クコ、長ネギ1/3本、塩コショウ
①生姜は皮は剥かず、スライスに切る、飾り用に千切りも作っておく。
②ねぎは葉の部分はざく切りにする。米は洗っておく。
③鶏手羽元は水で良く洗い、スープ鍋に水と米、生姜スライス、なつめ、クコの実、ねぎの葉と入れて火にかける。
④沸騰してきたら、弱火にしアクをすくい取る。
⑤30分ほど煮込み、味をみてから塩、胡椒を加える。
⑥器に盛り付けて、上に刻んだネギと千切りショウガを飾る。
イメージ
<参考>
1)ウィキペディア 生姜 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%A6%E3%82%AC
2)東方栄養新書 梁こう千鶴 メディカルユーコン