秋の味覚   蕎麦

 

新蕎麦の季節になりました。蕎麦好きの人には新蕎麦の香りはたまりませんね。

 

蕎麦の名前の由来

蕎麦の実を挽いて粉にしたものを練って茹でたものを「蕎麦がき」と言います。麺にした方は「蕎麦切り」と呼んでいたのですが、いつの間にか「蕎麦」と省略して呼ばれるようになりました。

 

蕎麦の歴史背景

蕎麦の原産地は中国です。モンゴルやチベット、朝鮮半島を経て、日本に入ってきたのは奈良時代より前の時代でした。しかしこの時代には、米に比べると蕎麦は珍重されておらず、飢饉の時に食べる用の雑穀と思われていたようです。そのため、あまり積極的には作られていなかったようですが、土地の荒れた不毛の土地でも作ることが出来たので、広い範囲で所どころで作られていました。

江戸時代より前は蕎麦がきや蕎麦焼きが主流の食べ方でしたが、江戸時代初期ぐらいから、細く切った麺として食べられるようになりました。そして各地で蕎麦料理がつくられるようになりました。街角には蕎麦屋や屋台の蕎麦屋もできました。江戸では、今のように茹でるというよりもせいろに入れて蒸す製法で作られ、客に提供されていました。

江戸では、蕎麦の食べ方も風流に発展していきました。そして、今のような形になったのです。

蕎麦の流通

蕎麦はにとれるものと、に旬を迎えるものがあります。秋の方が香りが高く珍重されます。

気候条件も幅広く、やせた土地でも出来るので、北は北海道から九州まで各地で蕎麦の生産地があります。

 

蕎麦の種類(麺)

<蕎麦粉の割合>

十割蕎麦100%そば粉で作った麺のことです。そば粉はグルテンを含まないので、そば粉だけでまとめるのはとても大変で、技術が必要です。

二八蕎麦2割が小麦粉、8割がそば粉で作られた麺です。こちらが一般的蕎麦で流通量が多いです。

<蕎麦粉の種類による分類>

更科蕎麦:蕎麦の一番粉のことを更科と言います。実の内側の部分が多いので、白い粉になります。とてもサラサラしていて、上品な香りです。つなぎがないとなかなかまとまらなく、つなぎをいれるのが一般的です。この一番粉をつかった蕎麦は、白い色をしているのが特徴です。

田舎蕎麦:蕎麦柄も全て入れた、グレイ色の蕎麦です。香りや味が濃厚で、強いそばつゆにも負けません。各地の山地で食べられることが多いです。

 

各地の蕎麦と加工品

ざるそば、わんこそば、かも南蛮そば、にしん蕎麦、深大寺蕎麦、へぎそば、とろろそば、おろし蕎麦など

その他:そばぼうろ、おやき、蕎麦湯など

海外の蕎麦料理

ガレット:そば粉のクレープ(フランス)

ピッッオケリ:そば粉のショートパスタ(イタリア)

クラクフカーシャ:そばのおじや(スロベニア)

ロティ:そば粉の平たいパン(ネパール)

 

蕎麦アレルギー

蕎麦は、重篤なアレルギー反応を引き起こす場合があります。アレルギー表示指定食品のひとつです。アレルギーを持っている人は必ず入っていないか確認しましょう。

 

蕎麦の栄養価

糖質のデンプンが主体です。ビタミンB1、B2、ルチンを含みます。

ルチン
ルチンはフラボノイドの一種でビタミンPとも呼ばれています。血管を丈夫にしたり、止血を助けたり、血圧を下げる作用があります。

 

東洋医学(薬膳)からみた「そば」

寒熱「

昇降「

臓腑「脾・胃・大腸

五味「

 

東洋医学的効能

開胃寛腸:食欲を回復させる。整腸作用を持つ。

下気消積:胃腸の機能を回復して活性化させ、老廃物を排除する。

清熱解毒:体にこもった余分な熱を収め、体の老廃物を除き毒のあるものを分解する。

 

体質相性

肝陽亢盛」熱がたまりやすい、高血圧の方には合っています。

食積痰湿」消化不良のある人に整腸作用があるので合っています。

陽虚」で下痢をしやすく、腎機能の低下している人には合わず控えた方が良いでしょう。

気血両虚」「老人」「小児」の方には、消化が悪いので合いません。控えめにしましょう。

 

蕎麦のおいしいレシピ

きのこのガレット


材料 2人分
そば粉60g、水、卵2個、溶けるチーズ20g、玉ねぎ1/2、エリンギ1本、しめじ30g、バター5g、塩コショウ

①そば粉に水を合わせておく。
②玉ねぎはくし切り、エリンギ、しめじは細かく食べやすい大きさにする。
③フライパンに油をしいて、玉ねぎ、エリンギ、しめじを炒めて塩コショウで味付けして、皿にとっておく。
④フライパンをきれいにして、再度油をひきそば粉を水で溶いたものを流し入れて薄くのばす。
⑤表面がフツフツしてきたら、③の具材を入れて、真ん中にくぼみをつくる。
⑥真ん中のくぼみに卵を入れて、白身の部分から野菜にかけてチーズを乗せる。
⑦弱火で焼き、バターを乗せる。
⑧チーズが溶けて、黄身が少し固まったら4隅を折り返して四角に形どり、皿に乗せて出来上がり!

 

 

イメージ

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<参考>

ウィキペディア  蕎麦 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%95%8E%E9%BA%A6

東方栄養新書       梁こう千鶴      メディカルユーコン