ピーナッツはあまりにも日常的に見るナッツなので、つい旬の季節を忘れがちなのですが、実は秋が旬なのです。秋の採れたてのピーナッツの塩ゆでは、格別に美味しいですね。
ピーナッツの名前の由来
ピーナッツは英語のpea(豆)nuts(木の実)からきています。
もう一つの名前、落花生は中国語から花が落ちて、子房柄が伸びて地中に入り実が生じることからきています。中国から入ってきたので、南京豆とも呼ばれます。
ピーナッツの歴史
南アメリカが原産です。紀元前2500年前のペルーの遺跡からピーナッツの殻が発掘されています。南米のグランチャコ地域から1574年にスペイン人によりヨーロッパへもたらされました。その後世界に広がり、1706年ごろに中国から日本に入ってきました。全国的に広く栽培されるようになったのは、1874年ごろからです。
ピーナッツの特徴
ピーナッツはナッツのイメージが強いですが、実は豆類なのです。一年草で地上で花が咲き、地中で実が出来る不思議な植物です。大粒種と小粒腫があります。収穫は8月~11月ごろにかけて行われます。
ピーナッツの流通
世界の生産量で一番多いのは、中国です。次いで、インド、ナイジェリア、アメリカ、インドネシアとなっています。日本は主に中国から輸入しています。
国産のピーナッツは千葉県が多く、次いで茨城県となっています。千葉県では八街市が収穫量が一番多く有名です。
ピーナッツの選び方
(乾燥物)
粒がそろい、香りの良いもの。油が酸化しやすいのでなるべく殻つきを選びましょう。
(生)
収穫期の旬にしか出回りませんが、新鮮で、収穫してから日にちが経過していないものを選びましょう。
ピーナッツの保存
(乾燥物)
殻をむいたものは酸化しやすく、長くは保存できません。袋を開けたものはなるべく早く食べましょう。袋の封を開けていないものは、直射日光が当たらない冷暗所におきましょう。
(生)
生のピーナッツは長く保存できません。茹でて冷蔵庫保管1~2日で食べきりましょう。
ピーナッツ料理
煎り豆、豆菓子、ピーナッツバター、せんべい、茹でピーナッツ、ジーマーミ豆腐、ピーナッツ油などがあります。
担々麺にピーナッツバターでコクを出したり、パッタイやアジアの麺類に刻んだピーナッツが乗っていたり、隠し味としても使われることが多いのです。
ピーナッツの栄養
脂質が多く、ほとんどが不飽和脂肪酸のオレイン酸やリノール酸です。カロリーは高めです。糖質は豆類の中では少なめです。ビタミンB1、ナイアシン、ビオチン、ビタミンB6、葉酸、パントテン酸を多く含んでいます。
ピーナッツの赤茶色の薄皮には、レスベラトロールというポリフェノールが入っています。
・レスべラトロール
赤ブドウの皮や赤ワインにも含まれるポリフェノールで、抗酸化作用が強いことや抗炎症作用があるといわれています。
ピーナッツで気を付けたいこと
・アフラトキシン
古い乾燥ピーナッツには、内側の胚芽にアフラトキシンというカビが発生していることがあります。発がん性が高いので、ピーナッツは新しいものを選びましょう。
・アレルギー
ピーナッツによるアレルギーは世界的にも多く、重篤になりやすいアレルゲンのひとつです。ひどい症状の場合はアナフィラキシーショックで亡くなる人もいます。
ピーナッツを食べて、体にかゆみ、発疹、下痢、腹部膨満感がある人は、アレルギーを疑った方が良いかもしれません。
東洋医学(薬膳)からみた ピーナッツ
・「潤肺」:肺を潤し、空咳を解消する
・「和胃補脾」:胃腸を丈夫にし、吸収を促進する
・「補脾止血」ピーナッツの薄皮は、斑状出血を改善する
体質相性
「食積痰湿」「老人」「陽虚」の人は胃腸が弱いので、油の多いピーナッツは食べ過ぎない方が良いでしょう。
美味しいピーナッツレシピ
ほうれん草のピーナッツ和え
材料2人分
ほうれん草1/2束、ピーナッツ20g、砂糖小さじ1、醤油大さじ1
①ほうれん草は茹でて、冷水に取ってから良く絞って水をきり5cm程度に切る。
②ピーナッツはすり鉢でするか包丁で細かく刻み、砂糖、醤油と合わせる。
③②のピーナッツたれに①のほうれん草を和えて、できあがり!
イメージ
旬のピーナッツは新鮮で、生のピーナッツをそのまま塩ゆでにした「茹でピーナッツ」がお勧めです。
ただ、美味しいからと言って食べすぎると油分やカロリーの摂りすぎになりますので、適量にしましょう。
<参考>
ウィキペディア 落花生 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%BB%E3%82%A4
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