秋の味覚       大根

 

寒くなってくると大根が美味しい季節になってきますね。

 

大根の名前の由来

室町時代以前には「於朋泥(おほね)」と呼ばれていましたが、室町時代から大きな根を食べる野菜であることから、「大根に変わったといわれています。

 

大根の歴史背景

原産地はコーカサス地方、パレスチナ、エジプト、西南アジアという説があり、どこなのかはわかっていません。古代エジプトでは、ピラミッド建設者が食べていたという記録があったり、古代ローマやギリシャでも食べられていたようです。

日本には中国から入ってきました。何時なのかははっきりとはわかっていませんが、弥生時代には伝わっていたようです。日本書紀にも「於朋泥」という名前が出てきます。万葉集では女性の腕を「於朋泥のように真っ白い」と例えが載っており、美しさの象徴とされていました。

一般的に庶民に食べられるようになったのは江戸時代に入ってからで、江戸近郊の練馬・板橋、浦和、三浦半島で多く作られるようになりました。飢饉の時や冬でも食べられる野菜は貴重でした。また長く持つように、その頃から大根を干す技術も発達したり、漬物も作られるようになりました。

 

大根の種類

日本大根、ヨーロッパ大根、中国大根があります。

日本大根の種類

青首大根が、現在の主流な生産種になっています。

その他に、白首大根(練馬大根、三浦大根、大蔵大根など)、宮重大根、二年子、時無し、若春、桜島、聖護院、都、守口、源助、万領など種類は多く110品種が1980年には登録されていました。

 

大根の流通

大根の旬は秋から冬ですが、春や夏にも出回ります。

主な産地は北海道、青森、千葉、神奈川、宮崎です。

 

大根の選び方

葉の部分や根の部分が両方ともピンと張りがあり、真っ直ぐに伸びているもの。白く光沢があり、キメが細かくみずみずしいもの。ヒゲ根が縦に揃っているものが良いです。

大きさの割に軽いものは、中心部分に空洞のスが入っている場合があります。

 

大根の保存方法

葉が付いているものはすぐに切り離し、根の部分はできれば立てて冷暗所で保存しましょう。包丁で切った断面は、乾燥しないようにラップかビニール袋で覆いましょう。

 

大根の調理

大根は使う部分により、味の違いがあります。

大根の先端部は辛みが強いので、辛めの大根おろしが好きな方は勢いよく下ろすとさらに辛くなります。ぜひお試しを。炒め物や漬物も向いています。加熱すると辛みはなくなります。

中間より上は、まろやかな味で甘みがあります。生で食べるサラダなどにも向いています。真ん中は煮物などの調理に向いています。

 

大根料理

大根鍋、ブリ大根、大根おろし、おでん、たくあん、切り干し大根、べったら漬けなどが有名です。サラダなどに使ってもさっぱりとして美味しい野菜です。

 

大根の栄養

:ビタミンC、カリウム、食物繊維など

:βカロチン、カルシウムなど

辛み成分:アリルイソチオシネート(肝臓の解毒作用を助けるといわれています。)

大根おろしなど生で食べる場合は、含まれる酵素も一緒にとることができます。一緒に食べた食品の消化を助けます。

アミラーゼ(ジアスターゼ):デンプンなど糖質の消化酵素
プロテアーゼ:タンパク質の消化酵素
リパーゼ:脂肪の消化酵素
オキシターゼ:酸化還元酵素、解毒作用を補助します。

焼き魚や肉などの焦げたタンパク質は、発がん性物質になることがあります。
さんまなどの焼き魚に大根おろしを添え物としてつけるのは、昔からの知恵でベストマッチなのです。

 

東洋医学(薬膳)でみた「大根」

寒熱「涼(平)

昇降「昇(生)」「降(加熱)」

臓腑「脾・胃・肺

五味「辛(生)、甘(加熱)

 

東洋医学的効能

除風寒:寒気からの風邪を回復される。

寛胸離膈:胸苦しい感じを解消する。

下気和中:気の巡りを促し、整腸して胃腸の働きを良くする。

化痰消食散結:痰の出を良くし、消化を促す。

解毒:体内の毒素を分解する。

 

体質相性

大根は消化を促す働きがあります。

食積痰湿」で消化不良がある人には合っています。

肝陽亢盛」で高血圧の人には合っています。

気血両虚」で胃腸が弱い方には合いません。

 

大根の美味しいレシピ

牛肉と大根の煮付け

材料2人分

大根1/4本、大根の葉少量、牛小間肉60g、油、砂糖小さじ1、みりん小さじ1、醤油大さじ1、一味唐辛子少々

①大根は皮をむき、輪切りにする。大根の葉は刻んでおく。

②鍋に油をしき、中火にかけて温まったら牛肉を入れて炒める。

③牛肉に火が半分入ったら、大根を入れて軽く炒めて水を入れる。

④煮汁に砂糖とみりんを入れる。

⑤大根に半分くらい火が通ったら醤油を入れて味がなじむまで煮込む。

⑥火を止める前に大根の葉を入れて、大根の葉がしんなりしたらできあがり!

 

 

イメージ

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<参考>

ウィキペディア  大根 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%B3

 

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