鮭は通年食べることができますが、秋鮭と呼ばれる鮭があります。秋に川を溯る鮭です。秋の鮭は生鮭を使って焼き物や鍋物にするなど、秋ならではの食べ方がありますね。
鮭の名前の由来
鮭の名前の由来についてはいくつか説があります。まず、身が裂けやすいというところからサケと呼ばれるようになった、それとアイヌ語のアキアチップが転化してサケになったという説です。
秋に捕れる鮭は、秋鮭または秋味と呼ばれます。夏など産卵期以外に捕れる鮭は、トキシラズと呼ばれます。
秋鮭の特徴
秋鮭と呼ばれる鮭は基本的に白鮭で、海洋から川に戻ってきた鮭を指します。鮭は川で生まれてから海に出て北太平洋を2~8年ぐらい回遊して、子孫を残すために生まれた川に再び戻ってきます。
その鮭を捕獲するのですが、秋鮭は脂は少な目で淡白な味わいです。新巻鮭は、秋鮭からつくられます。
鮭の流通
日本では北海道や東北、北陸、関東あたりまでが生息地で、人工孵化して放流したものが多く出回っています。
輸入は、チリやノルウェーからの養殖のものが多くを占めます。
鮭の歴史背景
日本では鮭は先史時代から食べられてきました。東日本の各所の貝塚で、貝殻とともに鮭の骨も発掘されています。平安時代の「延喜式」にも鮭の様々な食べ方について書かれています。江戸時代には、北海道のアイヌ民族から和人への重要公益品目に入っていました。明治時代以降は、人工産卵と孵化放流が行われています。
秋鮭の選び方
腹が肉厚で光沢があり、身がしまっているもの
鮭は寄生虫のサナダムシやアニキサスがいることが多く、捕れた魚をそのまま生食をすることはありません。必ず加熱しましょう。北海道のルイベは特別な製法で作っています。
最近日本でもよく食べられるようになった、刺身や寿司の生鮭は、ノルウェーで完全無菌で養殖されたタイセイヨウサケで、必ず冷凍してから解凍して用いられます。
鮭料理
焼き魚、煮魚、塩漬け(新巻鮭)、汁物(粕汁、三平汁など)鍋物(石狩鍋、十勝鍋など)、燻製など
お弁当やおにぎりの具、そして和食の朝食としても定番です。
加工品には水煮の缶詰、鮭とば、スモークサーモン、鮭フレーク、ルイベなどがあります。
鮭の栄養価
良質のタンパク質、オメガ3を含む脂、ビタミンA、ビタミンB群、ナイアシン、ビタミンD、アスタキサンチンが含まれます。
・アスタキサンチンとは
鮭の身の赤い色素で、強力な抗酸化作用があります。その高い抗酸化力から、近年では化粧品にも使われています。
鮭はもともとは白身の魚ですが、身の赤い色は、外洋で赤色の動物プランクトン(甲殻類)を餌にして食べることで、色がつくと言われています。
東洋医学(薬膳)からみた鮭
寒熱「微温」
潤燥「潤」
「暖胃和中」胃を温め、胃腸の機能を回復する
体質相性
「食積痰湿」胃腸が強い方は少量とると良いでしょう。
「陽虚」で腎機能が低下している人は、タンパク質は控えめにしましょう。
秋鮭の美味しいレシピ
鮭のちゃんちゃん焼き
材料 2人分
秋鮭切り身2切れ、玉ねぎ1/4個、キャベツ30g、もやし30g、人参1/3本、しめじ1/2株、えのき1/2株、青ネギ20g、白みそ大さじ2、みりん大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1
①鮭の切り身に塩、コショウをまぶす。
②野菜は良く洗って、玉ねぎはスライス、キャベツ、人参は短冊切りしめじ、えのきは食べやすい大きさに切り分ける。青ねぎは刻んでおく。
③フライパンに油をしき、鮭を入れて焼く。
④もう一つの鍋にも油を入れて、人参、玉ねぎから炒める。しんなりしてきたら、残りの野菜も入れて火が通るまで炒める。
⑤野菜に火が通ったら、調味料を入れて味をつける。
⑥鮭は両面焼き、焼きあがったら器に乗せ、⑤の野菜をみそだれごと乗せて、上に青ネギを飾り出来上がり!
イメージ
<参考>
ウィキペディア 鮭 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%B1
東方栄養新書 梁こうせんかく メディカルユーコン