秋の味覚  秋なす

「秋なすは嫁に食わすな」という言い伝えがあり、「秋のなすはアクが強いから体を冷やすので良くない」とお嫁さんを案じて生まれた言葉と言われています。
秋なすは、9月から10月の始めにかけて収穫するなすのことで、その頃は畑では朝晩の気温が下がり、日中と比べて温度差が生まれます。そのため、夏とはまた違った旨味のあるなすになるのです。

 

なすの旬

なすは現在、通年生産されていますが、本来の旬は、6月から10月頃です。

なすの名前の由来

まず「夏味」という夏に味が良いので付けられた名前が転じて「なす」になったという説があります。その他に沢山実がなるので「なり進む」という言葉からきたなど、色々な説があります。

 

なすの歴史

なすの原産はインドです。古くから栽培されていて、5~6世紀には中国でも栽培されていた記録があります。日本へは8世紀ごろには入ってきました。奈良時代の「正倉院文書」になすの記述があり、その頃からなすびと呼ばれていたようです。10世紀には盛んに栽培されて、始めは貴重な野菜でしたが、江戸時代には庶民にも親しまれる野菜になりました。

なすは世界中で食べられている野菜のひとつです。各国に多種多様ななす料理があります。

 

なすの種類

日本国内の中だけでも、なすは種類が沢山あります。

民田なす、加茂なす、長なす、水なす、早生真黒なすなど多岐に渡ります。

 

なすの選び方と保存方法

選び方:ヘタの切り口が白く、ガクのとげが痛いぐらいで、身に張りがあり黒っぽく紫色に光っているものが新鮮です。

保存:低温と乾燥に弱いので、冷蔵庫はあまり冷えすぎない所に、乾燥しないよう新聞紙で包んだり口を軽く開けた袋に入れましょう。

下準備:使う時には、水にサッとつけてあく抜きをして、良く水を切ってから使いましょう。

なす料理

なすはクセがなく、色々な料理を楽しむことができます。油を使う料理では、特に紫色が鮮やかに映えます。

炒め物、焼きナス、なすの天ぷら、味噌汁、煮びたし、浅漬け、ぬか漬け、パスタ、グラタンなど

 

なすの栄養価

なすは、水分が多くカリウムなどのミネラル、ビタミンB群、食物繊維などが含まれますが、あまり成分的には多くありません。

しかし、なすの皮にはポリフェノールが含まれています。紫色の色素ナスニンは抗酸化作用が強いので、皮は剥かずにたべるのがお勧めです。ナスニンは強い抗酸化力があり、眼精疲労回復や動脈硬化予防に作用します。
また、皮にビタミンP(ルチン)が含まれています。ビタミンPは毛細血管を強くする働きがあります。

 

東洋医学(薬膳)からみた「なす」

清熱:体にこもった余分な熱を収める

活血止血:血液の滞りをなくし、止血を防ぐ

消腫止痛:利尿作用で熱っぽい腫れを解消し、痛みを止める

祛風活絡:風寒の邪を除いて、手足のしびれや感覚異常を改善させる

 

体質相性

寒熱「」、昇降「

なすは、寒性で気を降ろす作用があり、冷やす性質の強い野菜です。

体の熱を外に出し、夏バテ解消の作用があります。

・「肝陽亢盛」熱っぽくてのぼせやすい体質なので、なすは適した野菜です。

・「気血両虚」「小児」などの胃腸の弱い方、冷え性の方には、あまり寒性のなすはお勧めできませんが、生姜を少し加えることで寒性を和らげることができます。

・「陽虚」「妊婦」「老人」の人は、涼しくなってきてからのなす「秋ナス」は体を冷やすので控えた方がよいでしょう。

 

アーユルヴェーダでは

ヴァータの体質の人は、なすは控えた方が良い野菜のひとつです。

 

秋なすのお手軽レシピ

なすの揚げびたし

2人分

なす2本、油、麺つゆ大さじ1、生姜、かつおぶし

①なすは、良く洗い乱切りにして水に浸しアクをとる。

②揚げ油を用意し、170度程度になったら水気を良くふき取ったなすを入れて短時間揚げる。

③麺つゆを定量で希釈する。

④揚げたなすを器に盛り付け、麺つゆをかけておろし生姜をのせる。好みでかつおぶしをかけてできあがり!

 

 

イメージ

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<参考>

ウィキペディア  なす https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B9

東方栄養新書   梁こうせんかく   メディカルユーコン