秋のフルーツといえば、やっぱり柿
昔から日本にある柿は「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、栄養に富んだ果物として愛されてきました。
柿の名前の由来
柿の語源はいくつか説があります。「あかつき」を略したという説、赤い実のなる木「赤木」を略したという説、熟した柿が輝いて見えたことから「かがやき」を略したという説があり、どれが本当なのかははっきりしていません。
英語ではpersimmon(パーシモン)と呼ばれますが、日本語の「カキ」といっても通じる国があります。
また、学名の「ディオスピオス」は1775年に日本を訪れたスゥエーデンの博物学者が命名しましたが、「神々の食べる果物」という意味だそうです。
柿の歴史背景
原産は東アジアで、日本とも中国とも言われています。
日本では縄文時代、弥生時代には食べられていたようで遺跡から種が出土されています。奈良時代には、各地に流通していて祀りごとに使われたり、冬の甘味として楽しまれていました。この頃の柿はほぼ渋柿で、干し柿にして食べられていました。鎌倉時代までは、柿は渋柿だけだったのですが、鎌倉時代に突然変異で甘柿ができました。江戸時代には100種類以上改良されて、甘くて美味しい柿ができたのです。そして、今では1000種類以上の柿があると言われています。
柿の流通
ハウス栽培は8月~9月、露地物は10月~11月が旬です。
柿の木は日本の本州全域にあります。北海道にも一部あります。
出荷量が多いのが和歌山県、奈良県であとは福岡県、愛知県、岐阜県、新潟県などと続きます。
柿の種類
完全甘柿:もともと渋が少なく、熟成すると完全に渋が抜ける。
富有柿、次郎柿、御所柿など
不完全甘柿:種が多く入ると渋が抜ける。
禅寺丸、筆柿、西村早生など
不完全渋柿:種が入っても渋が一部残るもの。
刀根早生、平核無、甲州百目、蜂屋など
完全渋柿:種が入っても渋が抜けないもの。(熟柿になれば渋は抜ける)
市田柿、愛宕柿、西条柿など
柿の選び方
品種にもよるのですが、形がふっくらして整っているもの、色が濃い目のもの、ヘタが密着しているものが美味しいとされています。
柿の保存方法
風通しの良い低温の場所で、保存すると長持ちします。渋柿は渋を取る処理をしてから保存します。
柿の料理、加工品
生食、和え物、サラダ、揚げ物など
干し柿、柿ジャム、柿羊羹、(葉)柿の葉茶など
柿の栄養
果糖、βカロテン、βクリプトキサンチン、ビタミンC、カリウムが多く含まれています。
また、タンニンが含まれています。
東洋医学(薬膳)から見た 柿
寒熱 「寒」
昇降 「降」
収散 「収」
潤燥 「潤」
臓腑 「心・肺・大腸」
五味 「甘・渋」
東洋医学的効能
「清熱止渇」:熱を収め、喉の渇きを解消する。
「潤肺止咳血」:を潤し、咳を伴った呼吸器系の止血を収める。
「渋腸和胃」「涼血止血」:胃腸を丈夫にして、下痢を伴った下血を解消する。
「解酒毒」:アルコールの分解を促して二日酔いを解消する。
体質相性
「肝陽亢盛」顔が赤く熱っぽい性質がある方で高血圧がある方に柿は向いています。
「陰虚」で微熱がある方には向いています。
「陽虚」で冷え性の人は控えめに。冷え性で腎機能に問題がある方は摂らないほうが良いでしょう。
「気血両虚」「老人」「小児」:胃腸が弱い人は控えましょう。
「食積痰湿」:体内の水分が取り除きにくくなるので、控えめに。
柿は胃腸を冷やしやすいので、どの体質の人も食べ過ぎない方が良いでしょう。
柿の美味しいレシピ
柿の白和え
材料 2人分
柿1個、こんにゃく1/2枚、さやいんげん30g、木綿豆腐1/2丁、白いりごま15g、砂糖小さじ1、醤油小さじ1
①豆腐は1/2丁を角切りして、電子レンジ500w1分加熱し水切りをする。冷めたら潰して滑らかにする。
②さやいんげんは洗ってから4cmぐらいのざく切りにして、塩ゆでにする。
③こんにゃくは棒切りにしゆでる。
④柿は皮を剥き、棒切りにする。
⑤①の豆腐に砂糖、醤油、ゴマを入れてよく練り合わせ、こんにゃく、いんげん、柿と混ぜ合わせる。
⑥器に盛り付けて出来上がり!
イメージ
<参考>
ウィキペディア 柿の木 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%82%AD
東方栄養新書 梁こう千鶴 メディカルユーコン