さんまを焼くあの香りは、なんとも食欲が湧き、食欲の秋を感じさせる魚です。
秋の象徴的な魚ですが、ここ数年不漁で高値がついていますね。
さんまの名前の由来
さんまの名前の由来はいくつか説があります。「狭真魚」サマナという細長い形を意味する言葉が語源という説と、大きな群れで泳ぐ習性があるため大きな群れを意味する「沢」と魚がついてサワンマからさんまになったという説があります。
現代使われている「秋刀魚」という漢字は、大正時代に初めて使われるようになりました。細長い銀色の形が刀のようであり、秋に捕れる魚ということからこの漢字が使われるようになりました。
さんまの歴史
古くから食べられていたという記述はありません。日本近海を回遊している魚のため、おそらく海の近郊の人たちは、昔から時々食べていたのではないかと推測されます。ただ昔は、鮮度を保つ技術がなく、近海に住んでいる人以外は、一般的に新鮮な海の魚を食べることがなかなか難しかったのです。しかし食用以外に行燈につかわれる油に、さんまの油が使われてたようです。
そしてサンマ漁が本格的に開始されたのは江戸時代です。「目黒のさんま」は有名な話ですね。いつも毒味も終えて冷めた魚しか食べたことの無かった殿様が、目黒に立ち寄った際に庶民が食べている焼きたての秋刀魚を食べたところ、その美味しさに心を奪われてしまったというお話です。
さんまの生息地
北太平洋を回遊しています。アラスカからメキシコ湾、日本海まで広い範囲を回遊しています。
さんまの寿命は1~2年で、2年たつと40cm位になります。
さんまの流通
日本では、北海道、東北、千葉県などが主な漁場です。
さんまの個体数は年々減っていると言われています。漁獲量も減っています。以前は日本が主な消費国でしたが、今は世界中で食べられるようになり、乱獲が進んでいるのと、温暖化など環境が影響しているものと考えられています。
今後もずっと食べていけるように、貴重な資源を無駄にしないこと、環境を守っていくことも考えていく必要がありますね。
さんまの選び方
新鮮な秋刀魚を見分けるコツ
・目がにごっていない
・口元と尾の付け根がほんのり黄色いもの
・尻尾を持ち上げた時に、体があまり横にグニャリと動かないもの
・腹がふくよかで張りがあるもの
・背中が青みかかっていて、綺麗な銀色のもの
冷凍のものもありますが、旬の季節には水揚げして日にちが立っていないものを購入しましょう。
さんまの下処理
さんまは、捕獲した時にほぼ鱗は取れてしまいます。そのため、下処理はとても楽で鱗もエラも取る必要はありません。
ご家庭で、調理する前に良く洗い、塩焼きの場合は内臓は取らず、そのまま塩を振って焼くだけです。
煮魚の時は、腹に少し切り目を入れて内臓を出して洗います。
さんまの内臓には、ラジノリンクスという赤いミミズのような寄生虫がいることがあります。食べても人間の中に住みつくことはないので、問題はないのですが、気になる人は内臓を食べるのはやめましょう。
生のさんまにはアニキサスという寄生虫がいることがありますが、こちらは人間の体内に住みつきますので、生食やそれに近い食べ方は十分に注意しましょう。
さんま料理
塩焼き、味噌焼き、生姜煮、刺身、フライ、みりん漬け、干物など
焼き魚には、かぼすやすだちなどの柑橘系の汁を絞り、大根おろしと合わせるのが定番です。
さんまは焼く時に油が多くて焦げやすいのですが、大根おろしがこの焦げの毒消しとも言われて、良いコンビネーションなのです。
さんまの栄養
さんまは、良質なタンパク質とオメガ3系の油(EPA・DHA)を多く含んでいます。他にビタミンB12やビタミンDを多く含んでいるのも特徴です。
このオメガ3系の油はとても貴重で、さんまやさばのような背中の青い魚に多く含まれています。EPAやDHAの主な補給源になるのですが、動脈硬化を防ぐ作用が強いのです。
東洋医学(薬膳)からみた「さんま」
寒熱:「平」
潤燥:「潤」
・「食積痰湿」の人は消化不良になりやすいので、油の多い魚のさんまは胃の負担になりやすいので控えめにしましょう。
・「陽虚」の人は腎が弱いので、タンパク質は多く摂りすぎない方が良いでしょう。
美味しいさんまレシピ
さんまの塩焼き
材料 2人分
さんま2尾、塩、大根1/3本、すだち1個(すだちがなければ、かぼすやレモン、ゆずでも美味しいです。)
①グリルを中火にして温めておく。
②さんまを良く洗い、塩をふりグリルに入れる。
③さんまを焼いている間に、大根の皮を剥き、おろす。
④すだちを1/4に切る。
⑤焼けたさんまを皿に乗せ、大根おろしとすだちを添えて出来上がり!
<参考>
ウィキペディア さんま https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%9E
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