秋のスペシャルな味といえば、栗ですね。栗は秋の格別な楽しみを与えてくれます。あのとげとげのイガに守られてきた栗はやさしい甘さと秋の味わい。焼き栗、栗ご飯、モンブランなどなど・・深まる秋に欠かせません。
栗の名前の由来
栗という名前になったは名前の由来は諸説あります。まず、栗の実が黒くなることから「クロミ」からクリへ転じた、栗の殻が茶色く栗毛色であることから「クリ」、石を昔は「クリ」と呼んでいて、石のように硬かったからなどとありますが、どれが本当なのかは解かっていません。
栗の歴史背景
栗の木はもともと日本に自生していました。日本栗の原産地は日本、朝鮮半島です。
日本では縄文時代には、すでに栗を食べていたことが遺跡からの出土などからわかっています。それにその頃からもうすでに、栽培も始まっていました。万葉集にも栗の名前がでてきています。その後もずっと秋には食べられてきた食材です。そして現在は冷蔵・冷凍技術や加工技術もあり、年中食べることができるようになり、菓子や甘味として人気の食材となりました。
栗の流通
旬は9月~10月です。
日本では、茨城県、熊本県、愛知県、岐阜県、埼玉県が出荷量の多い順番です。また、栗の名産地として長野県の小布施町、丹波地方(京都、大阪、兵庫)、茨城県笠間市があります。
その他に輸入では中国から、小さめの天津甘栗などがあります。
栗の種類
日本栗、中国栗、西洋栗に分けられます。日本栗は1つのいがの中に平均3つの実が入っています。
日本栗の種類
筑波(大粒中生)、国見(大粒中生)、石鎚(大粒晩生)、銀寄(中生)、丹沢(早生)
栗の選び方
皮の表面がつやつやしていて、張りがあり、手触りの良いもの。光沢がないものは取ってから日にちが経過している可能性があります。穴が開いているものは虫食いの可能性が高いです。
栗の保存方法
生の栗は保存できません。虫がつきやすく劣化しやすいので、購入したらなるべくすぐに茹でましょう。表皮の硬い皮(鬼皮)を取っておいて、渋皮だけにしておくと冷凍することもできます。
栗の下処理(圧力なべ・半加熱)
①生栗を半日水に浸けておく。
②包丁で栗の横に切れ目を1cm入れる。
③圧力なべに栗と水を栗にかぶる位入れる。
④火にかけて2分半位して火を止める。圧力が抜けるまで待つ。
⑤圧力が完全に抜けたら、蓋を開けて手で触れるくらいまで冷ます。
⑥暖かいうちに鬼皮をむく。好みで渋皮を残すか、全て剥く。
⑦半生なので、栗ご飯などの調理に加えても、冷凍保存も可能です。
⑧そのまま食べたい方は、茹で時間を少しのばしてください。
栗の料理
焼き栗、栗の煮物、栗ご飯、栗きんとん、栗の甘露煮、栗の渋皮煮、マロングラッセ、モンブランなど
栗の栄養
栗の主成分はほぼ糖質です。デンプン、ブドウ糖などです。その他、カリウム、ビタミンB群やビタミンCを少し含んでいます。栗の渋皮にはタンニンが含まれています。
東洋医学(薬膳)からみた栗
寒熱 「温」
収散 「収」
臓腑 「脾、胃、腎」
五味 「甘」
東洋医学的効能
「養胃健脾」 胃腸などを丈夫にする
「補腎強筋」 腎を補養し、筋肉や関節を丈夫にする
「活血止血」 血行を良くし、うっ血性出血を止める
体質相性
「気血両虚」胃腸が弱く、お腹が下しやすい方には良いです。
「気滞うっ血」血行が悪く、お腹が下しやすい方には良いです。
「陽虚」冷え性で慢性的にお腹が下しやすい人には良いです。
「食積痰湿」で便秘がある人は控えめに
「小児」少量ずつであれば、良いです。
その他の体質の人は少量ずつであれば良いです。
栗の美味しいレシピ
栗ごはん
材料
生栗むきみ100g、米3合、酒大さじ1、醤油小さじ1/2、塩小さじ1/4、黒ゴマ
①米は洗ってザルに上げておく
②栗のむきみは大きければ半分に切る(栗はあらかじめ剥いておく)
③炊飯器に米と調味料を入れて、水を規定量のところまで入れ、最後に栗を乗せる
④炊きあがったら器に盛り付けて、黒ゴマを上からかけたら出来上がり。
イメージ
<参考>
ウィキペディア 栗 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA
東方栄養新書 梁 こう千鶴 メディカルユーコン