近年、生涯において筋肉を維持することの大切さが言われています。
私たちの体を支えて動かしているのは、筋肉です。それに私たちの毎日の活動を支えているのも筋肉なのです。
筋肉はなぜ大切と言われているのか
まず、体の筋肉をしっかり作ることで体を支える筋肉が強化されて、男性はたくましい体に、女性はメリハリのある美しい体つきになります。
それに筋肉がきちんとあることで体の中で代謝が良くなり、太りにくくなったり、生活習慣病の予防に繋がります。
あとは姿勢が良くなったり、腰痛や膝痛を予防したり、運動を楽しめたり良いことばかりです。
また将来年を重ねた時にしっかりと筋肉があれば、色々な所を歩いて楽しんだり、転倒予防になり老後の生活も生き生きと生活することができます。
筋肉とタンパク質の関係
しっかりとした筋肉を作るためには、筋肉トレーニングをして筋肉に負荷をかけることが必要です。
それと共に普段からバランスの良い食事を心がけることが大切です。特に筋肉をつくるタンパク質やタンパク質の代謝を助けるビタミンB6や適量の炭水化物をとることが必要です。筋肉を作るために必要なたんぱく質を使うためには、糖質も必要です。タンパク質だけ摂るよりもバランスを考えて摂ったほうが効率的です。運動後にプロテインを飲んでいるという人もいるかもしれませんが、まずは食事でとることが重要なのです。
あとは、運動をした時の食事をとるタイミングも知っておくと効果的です。
タンパク質を多く含む食品
肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品
ビタミンB6を多く含む食品
レバー、鶏肉、サバ、かつお、、いわし、アボカドなど
効率的にタンパク質をとるための毎食の食事例
効率的にタンパク質を吸収するためには、毎食タンパク質を多く含むものを摂り入れるのがポイントです。
朝食:3食の中で一番タンパク質摂取が足りていないと言われています。体は常に細胞の分解や合成を行っているので、夜間の代謝で不足がちな朝にタンパク質を摂ることが重要です。朝食にもタンパク質を入れましょう。
特に必須アミノ酸のロイシンが入っているものが望ましいです。ロイシンは筋肉合成のいわばスイッチのような役割をします。ロイシンが特に多いのは肉類や魚類や乳製品や大豆製品です。また、よく噛むことで消化酵素がでて、消化吸収が良くなります。タンパク質を効率よく使うために、ビタミンB6などビタミン類も一緒にとりましょう。
例
①チーズトースト、スクランブルエッグとほうれん草ソテー、アボカド、バナナ、豆乳
②ご飯、豆腐の味噌汁、焼き鮭、ほうれん草のお浸し、アボカド、バナナ
昼食:食事のバランスをとるために、なるべく麺類や丼ものなどの単品の食事よりも、食品が多く入っている定食のようなものがお勧めです。そしてタンパク質のおかずと野菜が一緒になっているようなものを選びましょう。余分な体重を増やさないためには、夜がメインの食事よりも昼食がメインの食事であることが理想的です。
例
①ご飯、野菜スープ、レバニラ炒め、野菜サラダ、五目煮
②ご飯、豚汁、さばの塩焼き、肉じゃが、トマトサラダ
夕食:夕食はできれば就寝する4時間前ぐらい前に食べ終わっているのが理想です。夕食をとる時間は、体内時計のリズムからも18時~19時くらい前が就寝のリズムを整えるのにもちょうど良いのです。さらに運動した日には運動後から夕食、その次の日ぐらいまでの食事が筋肉の修復をしたり、新しい筋肉を作るためには大切です。油控えめの消化の良いたんぱく源と野菜、そして糖質は軽めがお勧めです。動物性のタンパク質だけではなく植物性のタンパク質も加えましょう。
例
①ご飯、豆腐とわかめの味噌汁、刺身(まぐろ・いかなど)、豚肉じゃが
②フランスパンとレバーペースト、鶏むね肉のトマト煮、コールスローサラダ
運動時に気を付けたいこと
運動前
運動前は、なるべく空腹は避けましょう。また、食べてすぐ動くのもあまりお勧めできません。
糖質もしっかり摂り、できれば2~3時間前までに済ませておくのが理想的です。
運動後45分以内の栄養補給
運動後45分間は筋肉回復のためのゴールデンタイムです。その時間にタンパク質と糖質が入っているものをとると良いでしょう。
例えば、牛乳・ヨーグルト・豆乳などは、手軽で手元に置いておくとすぐに摂れるのでお勧めです。
その後の食事
体内の色々な部分で活発に新陳代謝が行われています。
夕食は少し軽めを心掛けて、上記の内容を参考にしてください。
筋肉の疲労回復の為にお勧めな食材
鶏むね肉:抗疲労効果のあるイミダゾールペプチドを多く含んでいます。
豚肉:疲労回復に役立つビタミンB群を含みます。
レバー:タンパク質とともに、鉄分、ビタミン類を多く含みます。
牡蛎:タンパク質とともに、亜鉛、ミネラル類を多く含みます。
十分な睡眠
しっかりした筋肉をつくるためには、睡眠を十分にとることも必要です。
睡眠中に成長ホルモンが最大に分泌され、筋肉の超回復も最大になります。早めに寝て、そのタイミングを逃がさないようにしましょう。
プロテインについて
プロテインドリンクなどのプロテインは手軽に使うことが出来ますが、タンパク質のとりすぎになる可能性があるので注意が必要です。
タンパク質は体が必要な分は毎日補給することが大切ですが、必要以上に多くとってしまうと体の中には蓄積できないため、分解して無毒化して体外に出すことが必要になります。それはとても肝臓や腎臓に負担がかかるのです。常に負担がかかる状況が続けば、機能低下や病気につながる恐れがあります。できるだけ食事から必要なタンパク質をとりましょう。
計画的に筋肉の増量の必要があるアスリートなど、常に運動量が多い方はプロテインパウダーなどの使用について専門家(医師・管理栄養士などに)に確認の上、適量を使うようにしましょう。
<参考>
よくわかる栄養学の基本としくみ 秀和システム
かんたん、わかる!プロテインの教科書 森永乳業
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=115&category=muscle