腸は第二の脳ともいわれ、さらに腸内細菌は健康増進や免疫強化の分野でも注目されています。そして美容にも、腸の健康はとても深い関係があります。
幸いなことに、日本には腸活に最適な発酵食品があるのです。
日本人と発酵食品の関係
酢、味噌、漬物、納豆などは、日本に昔からある食品です。日本は発酵食品にとても恵まれた国だということを知っていましたか?
日本は発酵食品文化が古代より受け継がれてきた、素晴らしい食文化を持った国なのです。これは本当に自慢すべきことです。発酵食品が腸内を整えるのに有効な食材なのです。
それに日本人には特有のビフィズス菌など、代々受け継がれてきた腸内細菌がいます。
私はそれも長寿国になったひとつの要因として、貢献しているのではないかと考えています。
日本の発酵食品の食文化は古く、なんと縄文時代から野菜の漬物があり、弥生時代には味噌の先祖のようなものがあったと言われています。納豆も弥生時代にはあったようです。酢も中国から4~5世紀ぐらいには日本に伝わって造られるようになりました。それから、色々な発酵食品が生まれてきました。昔は冷蔵庫もなかったので、保存手段でもあったのですね。
発酵中に旨味が生まれ、栄養価も上がるという奇跡のようなことが行われ、それを人間が体の中でも利用しているのです。そう考えるとすごいですよね。
昔から味噌を食べれば肌がきれいになるとか、酢は体に良いとか、ぬかみそをかき混ぜている人の手はしわが無いとか・・・言われてきていますが、それはまんざら嘘ではありません。
各発酵食品と美容の関係
味噌
味噌は大豆に米麹と塩で作るものが多く、他に麦麹を使ったものもあります。この麹菌が体の中でとても良い働きをしてくれます。麹菌をつかった溶液で作った化粧水も某企業から販売されていますね。米麹がセラミド合成酵素を活性化し、肌の中のセラミドを増やします。その結果、肌の水分量が保たれて、みずみずしい肌になるのです。乾燥からも守ってくれます。有名な味噌会社が行った研究で、「20~40代の女性に麹菌の割合が高い味噌を使った味噌汁を一日2杯飲む実験を行ったのです。その結果、飲んだ人は飲まなかった人に比べて、シミの改善、頬のメラニン量の減少が見られた」とのことでした。1)
酢
酢は色々な種類がありますが、発酵した酵母も一緒に入っている自然に発酵したものがお勧めです。酢には酢酸が入っていて、酢酸は善玉菌を増やす働きをします。その他、内臓脂肪を減らしたり、血圧を下げたり、アレルギーを抑えるなど嬉しい効果が多いのです。2)
食欲が無い時にも酢を使った料理なら、さっぱりと食べられますよね。
野菜の発酵漬物
すぐき漬け
すぐき漬けは京都の伝統的な発酵で作られている漬物です。かぶの変種である酸茎菜の葉とかぶらを原料にしています。現代の日本では少なくなった本格的な乳酸菌発酵の漬物です。爽やかな酸味が特徴です。ラブレ菌が多く含まれていて、インターフェロンを増やして免疫を高める効果が確認されています。それに整腸効果が高いので腸内細菌のバランスを整えて、便秘の改善やデトックスにも役立ちます。美しい肌を作るのにも役立ちますね。
ぬか漬け
ぬかは米の表皮で、精米する段階で出来る茶色の粉末です。ぬか自体にはビタミンB群が豊富に含まれています。糠みそにすると、糠が発酵して、乳酸菌、酵母、酪酸菌が生息し漬物にまろやかな風味と旨味を与えてくれるのです。そして嬉しいことにぬか床のビタミンB群が野菜に移り、野菜自体のカリウムやビタミンCもそのまま摂ることができます。ビタミンB群のB1、ナイアシン、ビタミンB6がそのままの野菜よりも増えるのです。ビタミンB1、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンCも肌荒れ予防に嬉しい成分です。さらに乳酸菌が腸内細菌のバランスを整えて腸環境を良くします。塩分が気になる所ですが、食べすぎずに少しずつ食卓に乗せるとアクセントにもなって良いですよね。
納豆
納豆は材料の大豆自体、タンパク質、脂質、カルシウム、マグネシウム、イソフラボンやサポニンなど栄養価の高い食材ですが、発酵するとさらにビタミンや他の有効成分が加わります。ビタミンB2は2倍に、その他ビタミンB12、ビタミンK、ナットウキナーゼ、ムチンなど健康促進や美容に欠かせない成分が増加するのです。ビタミンB2は脂肪の燃焼に欠かせません。それに納豆菌自体がとても強い菌で、整腸効果も高いのです。
まとめ
日本には、もともと発酵食品が豊富で、腸内細菌のバランスを整える良い食習慣があります。毎日の生活に発酵食品を取り入れて、美しく輝きましょう。
<参考>
1)マルコメ食品 麹の力で美しく、麹の美肌効果 https://www.marukome.co.jp/rd/result06/
2)タマノイ酢 http://www.tamanoi.co.jp/health/