ビタミンB2

ビタミンB2はビタミンB群のひとつです。ビタミンB群は全部で8種類あり、それぞれが助け合って働く、家族事業のファミリーみたいなビタミンです。

ビタミンB2は主に脂質の代謝に関わっています。

 

ビタミンB2とは

ビタミンB2は、水に溶ける性質の水溶性ビタミンです。別名リボフラビンとも呼ばれています。体内では、特に脂質をエネルギーに変えることに重要な役割を果たしています。

ほとんどの食品は、ビタミンB2を補酵素型(ビタミンB2がタンパク質と結合した形)である、FADFMNという形で含んでいます。体の中に入った後、消化されてタンパク質から離れた形になり、小腸から吸収されなければ、使えるようになりません。そして吸収された後に細胞内に入って、またFADとFMNの形に戻って酵素の補酵素として働いています。

酸や熱には比較的強いのですが、アルカリや光、紫外線には弱く分解されやすいビタミンです。光が当たる場所に長く置いておくとどんどん減っていきます。保存方法や調理などの際には気を付けましょう。

ビタミンB2は水溶性ビタミンで、尿から体外へ排出されるため毎日摂ることが必要です。また私たちの体内でも腸内細菌によって少量作られますが、それだけでは足りないので、食事から補給することが必要です。

また、油っこいものが好きな人、飲酒量が多い人、頻繁に激しい運動をする人は、そうでない人に比べてビタミンB2を多く使います。そのため意識して多めに摂ることが必要です。


 

ビタミンB2の働き

 

脂質をエネルギーに変える

ビタミンB2は体の中で脂質を代謝して、エネルギーに変える助けをします。食べた脂肪が代謝してエネルギーに変わらないと、体重が増えたり、体の中で酸化した過酸化物質が増えます。ビタミンB2は過酸化脂質を分解することにも関与し、動脈硬化やがんや生活習慣病を予防します。

 

糖質をエネルギーに変える

ビタミンB2は糖質の代謝も助けています。そのため糖尿病のリスクを減らします。

 

成長を促進する

ビタミンB2は補酵素としてタンパク質の合成にも関わっています。全身の細胞の再生や皮膚・髪の毛を作り出す成長や維持に欠かせない成分です。子どもの成長期には特に不可欠です。

 

角膜、皮膚や粘膜を健康に保つ

ビタミンB2は細胞の再生に重要な役割を果たしています。不足すると目の角膜や皮膚、粘膜など、細胞のターンオーバーの回転が早い部分に最初に障害が起きてきます。吹き出物や口内炎・口角炎などの症状がわかりやすいかもしれません。

 

甲状腺の活性維持

ホルモンを生成する甲状腺の働きも助けています。不足するとホルモン分泌にも影響して、新陳代謝が乱れるといわれています。そうなると冷え性、浮腫や便秘の原因にもなります。

 

ビタミンB2の必要量

(mg/日)

男性

女性

平均必要量

推奨量目安量平均必要量推奨量目安量

0~5ヶ月

0.3

0.3

6~11ヶ月0.4

0.4

1~2歳

0.50.60.50.5
3~5歳0.70.80.6

0.8

6~7歳

0.80.90.70.9
8~9歳0.91.10.9

1.0

10~11歳

1.11.41.01.3
12~14歳1.31.61.2

1.4

15~17歳

1.41.71.21.4
18~29歳1.31.61.0

1.2

30~49歳

1.31.61.01.2
50~74歳1.21.51.0

1.2

75歳以上

1.11.30.91.0
妊婦+0.2

+0.3

授乳婦

+0.5

+0.6

日本人の食事摂取基準2020より抜粋

 

ビタミンB2の過剰症

ビタミンB2は必要量以上は、体外に出てしまうので過剰症の報告はほぼありません。

 

ビタミンB2の欠乏症

ビタミンB2が不足すると脂質の代謝が出来ず、脂質がエネルギーに変われず蓄積されます。また過酸化脂質が減らずに動脈硬化になりやすくなります。動脈硬化は心臓病・腎臓病・心筋梗塞・脳梗塞など重大な病気を引き起こす原因になるものです。

その他、皮膚炎・口内炎・角膜炎など

 

ビタミンB2を多く含む食品

レバー、豚肉、うなぎ、かれい、牛乳、納豆など

  

 

ビタミンB2を効果的に摂るために

ビタミンB2は尿や便に排出されますが、サプリメントなどで一度に多量に摂ると、使われなかった分は、すぐに尿として外に出てしまいます。ビタミンB2は他のビタミンと一緒に働くことが多いので、他のビタミンと共に、少しずつ食事の中に入れるのが、体の中で効果的に使われやすくなります

紫外線や光に弱いため日光の当たる所に売られている野菜や、光が多く当たる所に置いてある瓶に入った牛乳は、ビタミンB2が減少している可能性があります。

多量の抗生物質、副腎皮質ステロイド薬、精神安定剤、経口避妊薬は、ビタミンB2の働きを邪魔する可能性があります。

 

手軽にできるビタミンB2を効果的にとるレシピ

鶏レバーの生姜煮

材料 2人分

鶏レバー100g、牛乳少々、生姜1カケ、砂糖小さじ1、 みりん小さじ1、 酒小さじ1、 醤油大さじ1.5 

①鶏レバーは牛乳に浸して臭みをとり、その後水洗いをして水気をきっておく

②生姜はスライス、またはせん切りにしておく

③鍋に調味料と水を加えて中火にかけ、煮立ってきたら生姜を加える

④さらにレバーを加えて弱火で煮込む

⑤水分が減り、全体的に火が通って味が染みたら出来上がり!

 

 

イメージ

 

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<参考>

厚生労働省 日本人の食事摂取基準2020  https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf

 

国立研究開発法人 医療基盤 健康・栄養研究所  https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail175.html

よくわかる栄養学の基本としくみ   中屋豊    秀和システム

栄養素図鑑   牧野直子  新星出版社

臨床栄養ディクショナリー  山本みどり  佐々木公子  大池敦子  メディカ出版