セレン(Se)

セレンは適度にとることで、アンチエイジング・美容に力を発揮します。

 

セレンとは

セレンは元素番号34のミネラルです。

自然界では、広く存在し土壌や海水に多く含まれています

ヒトの体内では、おおよそ13~15g程度存在します。吸収されやすいミネラルで、食品から80%程度は、小腸の上部で吸収されると言われています。肝臓や腎臓に貯蔵されています。必ず必要な微量ミネラルですが、摂りすぎると毒性があります。

植物性の食品は、土壌内のセレンの濃度を反映します。日本の土壌は適度にセレンが含まれています。

 

セレンの働き

・細胞の老化の予防

ビタミンEやスーパーオキシドジムスターゼ(SOD)と共に、高い抗酸化力で体を酸化から守ります。それにグルタチオンペルオキシターゼ(生体内の過酸化物質を分解する酵素)の構成成分になり、アンチエイジングに役立っています。またビタミンCの再生を手伝います。

・解毒作用

水銀やカドミウムなどの重金属の毒性を抑制します。

・免疫機能の強化

セレンが不足せず、体内に十分にある場合は免疫反応を刺激しています。従ってセレンの欠乏は免疫の機能が不足することになります。また、免疫反応を組織化するサイトカインのシグナル伝達物質の発現をコントロールしています。セレンの欠乏は、ある種のウィルス感染症の毒性や進行を増幅するものと考えられています。

・がんの予防の可能性

がん細胞増殖の抑制を期待されています。

・甲状腺ホルモンを活性化

甲状腺ホルモンの活性化をします。

・生殖機能の向上

精子の形成や機能に関与しています。

 

セレンの必要量

(μg/日)

男性

女性
平均必要量推奨量目安量上限量平均必要量推奨量目安量

上限量

0~5ヶ月

1515
6~11ヶ月1515

1~2歳

10101001010100
3~5歳10151001015

100

6~7歳

15151501515150
8~9歳15202001520

200

10~11歳

20252502025250
12~14歳25303502530

300

15~17歳

30354002025350
18~75歳以上25304502025

350

妊婦

+5+5
授乳婦+15

+20

日本人の食事摂取基準2020より抜粋

 

セレンの過剰症

普通の食生活では、セレンの過剰症になることはほとんどありませんが、サプリメントなどでの摂りすぎには注意が必要です。

急性中毒症としては、嘔吐、脱毛、爪の変化、疲労感などがあります。

慢性の中毒症としては、毛髪や爪の喪失、皮膚の病変などがあります。

 

セレンの欠乏症

下肢痛、肝障害、心不全、克山病(中国の風土病で心不全・心肥大・不整脈)、カシン・ベック病(中国の風土病で成長期の骨軟骨の変形や関節の腫れ)などを起こします。

 

セレンと薬の関係

血小板凝集作用がある医薬品、ハーブやサプリメントと併用すると危険性が増大する可能性があります。

バルビツール酸塩の代謝を阻害する可能性があります。

免疫抑制剤、スタチン系HMGーCoA還元酵素阻害剤の効果を弱める可能性があります。

 

セレンを多く含む食品

かつお、かつおぶし、さわら、鮭、あん肝、ウニ、ワカサギ、いわし、ブラジルナッツ(土壌に多く含まれる場合)など

 

セレンを効果的にとるために

・同じように抗酸化作用をもつ、ビタミンEやビタミンA、ビタミンCを一緒に摂ると抗酸化パワーが倍増します。

n-3系不飽和脂肪酸、亜鉛は同時に摂るとセレンの吸収を阻害する可能性があります。    

 

セレンを効果的にとるレシピ

<かつおのたたき風カルパッチョ>

材料2人分

刺身用かつお150g(できればさくで)、パプリカ黄1/4個、あさつき少量、玉ねぎ1/2個、生姜、ニンニク、レモンまたはライム1/2個、大葉1枚、オリーブオイル大さじ1、ポン酢大さじ1 

①あさつきは小口切りに切っておく。

②玉ねぎとパプリカはスライスに切る。レモンかライムは絞る用に切る。

③生姜・ニンニクはすりおろす。

④かつおは切り分けて、大葉を敷いた皿に盛り付ける。その上からポン酢とオリーブオイルをかける。

⑤④の上からスライスした玉ねぎとパプリカを乗せてあさつき、レモンを飾る。

⑥しょうがとニンニクは好みで乗せる。

 

 

 

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<参考>

厚生労働省  日本人の食事摂取基準2020 https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf#search=’%E6%A0%84%E9%A4%8A%E5%9F%BA%E6%BA%96′

国立研究開発法人 医療基盤・健康・栄養研究所 https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail37.html

Oregon State University 微量栄養素情報センター セレン https://lpi.oregonstate.edu/jp/mic/%E3%83%9F%E3%83%8D%E3%83%A9%E3%83%AB/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%B3

栄養素図鑑  牧野直子  新星出版社

臨床栄養ディクショナリー  山本みどり 佐々木公子 大池教子 メディカ出版