穀類

穀類とは

穀類は主に炭水化物が主成分の主食となる食物のことを指します。

穀類は、小麦・イネ・トウモロコシが世界3大穀類と呼ばれています。その他、日本ではそば、ひえ、アワなども主食として食べられています。最近では外国から輸入された、大麦、ライ麦、オーツ麦、アマランサス、キヌアなども取り入れられるようになりました。

これら穀類は主に炭水化物(糖質)が成分としては多いのですが、その他にビタミンB群、ミネラル、食物繊維、脂質、タンパク質なども含んでいます。その糖質以外の成分は、主に外皮に含まれているので精製することで、取り除かれてしまいます。できれば、精製していないものを食べた方が、含まれている栄養素を捨てずに体にとり入れることが出来るのです。食物繊維も一緒にあった方が血糖値の上がり方も緩やかになります。

 

東洋医学からみた穀類

穀類は基本的には、穏やかな陽性の食品です。体を適度に温める作用があります。穀類に含まれる炭水化物を出来るだけゆっくり消化・吸収することで、安定したエネルギーを得ることが出来ます。

穀類のあわ・ひえ・米・麦の精製していないものビタミンB群が十分入っています。そのため、完全燃焼し、エネルギーと水と二酸化炭素になるので、皮膚呼吸や肺呼吸がきちんと行われていれば、毒素を残しません
一方で精製されているものは、ビタミン類がなく、燃焼が不完全になります。そのため乳酸を溜めやすく疲れやすくなります。乳酸は血液を通し肝臓や腎臓にも負担をかけます。

日本では、古代から米を食べてきました。米が一番の国民食とも言えるかもしれないほど、なじみ深い身近な食材です。それと小麦も私たちの食文化に根付いています。米と小麦について紹介します。

 

日本では、昔から主食として私たちの健康を支えていた米ですが、世界でもアジアを中心に主食として食べられている歴史があります。ヨーロッパやアメリカでも近年では食べられています。くせがなく色々な調理法で楽しめますし、ただ炊いただけの炊きたてのご飯も美味しくて、何のおかずにもピッタリ合いますよね。

 

日本での米の歴史

日本では、縄文時代の中期から稲の栽培が始まり、主食として重要な日々の糧となりました。昔は今のようにおかずが有ったわけではなく、米が中心の食事でした。米は税としても使われる貴重なもので経済としても特殊な意味を持っていました。また神聖なものとして神道の神事で祭られます。このように、日本の食文化ではずっと中心的な役割を果たしてきた米ですが、近年ではパンや麺類の人気や糖質を減らす傾向により、消費量が下がってきています。

 

米の種類

米の種類は世界的には、短めの粘りのあるジャポニカ種と長めで粘りの少ないインディカ種があります。そして、私たちが主に食べているジャポニカ種には水稲陸稲があります。日本ではほとんどが水稲を栽培しています。

一般的に流通されている米の中では、デンプンがアミロペクチンとアミロースからなるうるち米と、アミロペクチン100%のもち米に分かれます。うるち米は基本的に主食として食べているお米です。もち米はお赤飯やおこわ、ちまき、もちを製造する時に使われます。

うるち米でもその精米方法により、玄米、七分づき米、精白米というかたちで販売されています。精製するごとに栄養価は低くなります。

 

米の栄養成分の精米の違いの比較(乾燥 100g中 主成分のみ) 

 

玄米

七分づき米精白米
エネルギー (kcal)353359

358

糖質(g)

74.376.677.6
食物繊維(g)3.00.9

0.5

タンパク質 (g)

6.86.35.2
脂質(g)2.71.5

0.9

カリウム(mg)

23012089
マグネシウム(mg)11045

23

鉄(mg)

2.11.30.8
マンガン(mg)2.061.05

0.81

ビタミンB1(mg)

0.410.240.08
ビタミンB2(mg)0.040.03

0.02

ナイアシン(mg)

6.31.71.2
ビタミンB6(mg)0.450.2

0.12

葉酸(μg)

271512
パントテン酸(mg)1.370.84

0.66

ビオチン(μg)

6.02.9

1.4

日本食品成分表2020より抜粋

玄米は栄養価が高い利点がありますが、消化が良くない事があります。そのため、消化器に問題がある人にはあまりお勧め出来ません。また、アブシジン酸という有害物質があるのですが、一晩水につけておいてから炊くことで無毒化します。アブシジン酸フィチン酸が気になる場合は、発芽玄米発酵玄米にして食べることで、それらの成分が減り、消化も良くなります。

米の保存方法

精製した米はあまり長く保存できません。高温多湿とならない場所で保存することが基本ですが、シンクの下は湿気がこもりがちになり、カビの原因となるのであまり良くありません。また18度以上で虫が付きやすくなるので、低温の場所で保管するようにしましょう。低温の方が美味しさも長持ちするので、冷蔵庫の野菜室に入れることができれば一番良いのです。

 

米の農薬について

米は、害虫の駆除や病気を防ぐために農薬が使われることが多いのです。玄米への残留に関して、国の基準があります。最近は、農薬を減らした製法に取り組んでいる農家も増えてきました。

使われる農薬

殺菌剤:プロクロラズ、ヒドロキシイソキサゾール、ベンスルフロンメチル、ピロキロン
殺虫剤:フィプロニル、ジノテフラン、エトフェンプロックス
除草剤:メフェナセット、ベンタゾン

 

 

小麦

小麦も日本で、お米同様に多く消費されている穀類です。

小麦は、世界ではかなり古くから食べられてきていました。メソポタミア時代から栽培が始まり、その後ヨーロッパやアフリカに広がっていきました。そして聖書の創世記にも書かれていますし、その後何度も登場します。そして現在に至るまで各地で栽培が進み、品種も改良され、主食のパンや麺、菓子の材料としても使われてきたのです。

 

小麦の日本での歴史

小麦は中国から伝来されたと考えられています。小麦は2000年前の遺跡からも発掘されています。弥生時代には栽培が行われていて、奈良・平安時代には五穀の一つとして数えられていました。ただ、碾き臼の発達が遅れたため、製粉技術がなく馬や家畜の餌となっていました。臼で碾いた小麦は大変貴重だったのです。

その後、碾き臼が普及して本格的に小麦粉料理が食べられるようになったのは、江戸時代からです。その頃から、うどんやすいとん、天ぷら、饅頭などに使われるようになり、小麦の料理が普及していきました。

明治時代になり、西洋文化が入ってくると一気に小麦粉料理の幅が広がり、パン、洋菓子などが人々に大人気となりました。

そして現在は輸入が拡大して、85%が輸入でアメリカ、カナダ、オーストラリアから大量に購入しています。日本の国内産15%は、北海道で生産されているものが中心です。

 

小麦の種類

 

小麦の品種は、170種類以上あります。日本で生産されているものでもホクシン、キタホナミなど多数あります。

小麦の種類

デュラム粉:タンパク質のグルテンを多く含むため、もちもちとした触感になり、パスタに使われます。

硬質小麦:タンパク質が多く弾力性がでるため、パンや中華麺、ピザに向いています。(強力粉)

中間質小麦:タンパク質の含有量は中間でうどん作りに使われます。(中力粉)

軟質小麦:タンパク質の含有量が少な目でてんぷら粉やケーキやお菓子作りに使われます。(

薄力粉)

精製されているものはふすま(表皮)や胚芽を取り除いて、白い小麦粉になっています。

精製されていないものは、全粒粉としてミネラル食物繊維なども含んでいます。

 

小麦の栄養価の精製の違いの比較(強力粉100gあたり)

強力粉(全粒粉)

強力粉(精製)

エネルギー (kcal)

328365
糖質(g)68.2

71.7

食物繊維(g)

11.22.7
タンパク質 (g)12.8

11.8

脂質(g)

2.91.5
カリウム(mg)330

89

マグネシウム(mg)

31064
鉄(mg)3.1

0.9

マンガン(mg)

4.020.32
ビタミンB1(mg)0.34

0.09

ビタミンB2(mg)

0.09

0.04

ナイアシン(mg)

5.70.8
ビタミンB6(mg)0.33

0.06

葉酸(μg)

4816
パントテン酸(mg)1.27

0.07

ビオチン(μg)

10.8

1.7

もともと含まれている栄養を、精製することで捨ててしまうのはもったいないですよね。

 

 

小麦粉の保存方法について

小麦粉は、高温多湿、直射日光を避けた環境で保管しましょう。特に夏場はダニが付きやすいので、あまり多くは保管せず、使う分をなるべく少量ずつ購入しましょう。
保管は、密閉容器に入れて必ず蓋をしましょう。冷蔵庫で保管すると、結露ができやすくカビの原因になります。基本的には常温保存ですが、すこし長く保管する場合は冷凍庫で冷凍しましょう。小麦粉は匂いが移りやすく、長期冷凍には向きません。

 

 

 

 

小麦の農薬について

2018年から2019年にかけて行われた「農民連 食品分析センター」の調査では、小麦粉・パン・パスタなどの小麦製品の約70%から除草剤のグリホサートが検出されたというショッキングなニュースがありました。国内産の小麦粉からは出ていないことから、輸入の小麦粉が原因と考えられています。グリサホートは、発がん性があると考えられています。

私たちの健康を守るために、安全な食品とは何か、どのような製造の過程があるのかを知り、何が良いのか考えて、食品を選んでいくことが大切ですね。

 

 

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<参考>

ウィキペディア 米 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B1%B3

ウィキペディア 小麦 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%A0%E3%82%AE

msn News https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E8%BE%B2%E8%96%AC%E3%80%8C%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%9B%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%8D%E3%80%81%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AF%E5%89%8A%E6%B8%9B%E3%83%BB%E7%A6%81%E6%AD%A2%E3%81%AE%E6%B5%81%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%AE%E3%81%AB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E7%B7%A9%E5%92%8C/ar-AAHBoR7

日本食品成分表2020  医歯薬出版 

すぐに役立つ食品成分表  池田出版