せっかく美味しく作った野菜料理に栄養があまり含まれていなかったら、とても残念ですよね。
野菜の栄養を逃さず、そして美味しく食べるためのポイントをお伝えします。
1、新鮮な野菜を購入する
これは、とても大切なポイントです。野菜は収穫してから、時間の経過が長ければ長いほどビタミンなどの栄養価が失われていきます。
購入する際には、いつも新鮮な野菜を扱っているお店、温度管理や日に当たっていないかなど保管方法に気を配っているお店、野菜の張り感や色などをしっかり確認して購入するようにしましょう。
カット野菜は、加工する時点ですでにビタミンやミネラルの損失があります。できれば、カットされていない野菜を購入した方が望ましいです。カットしたものを購入したときは、なるべく早めに食べましょう。
2、野菜の保管方法に気を配る
新鮮なものを選んで購入してきた野菜も家での保管方法によっては、栄養が激減してしまう可能性があります。なるべく、野菜に合った保存方法で栄養を逃さないようにしましょう。基本は野菜の生育環境に近い状態が望ましいです。例えば、夏野菜は冷蔵庫に入れっぱなしは寒すぎて低温障害が起きますので常温や野菜室で冷気が当たらないようにしたり、長ねぎは縦に保管した方が新鮮さを保てます。
野菜によって、合う温度があります。冷蔵保存のもの、室温で保存した方が良いものがあるので下記を参考にしてください。
また大根やかぶなど葉がついたものは、そのままにすると生育してしまうので葉と根菜の部分で切り分けましょう。
基本的には、光が当たると光合成をするので劣化が早くなります。光の当たらない場所に保存しましょう。しかし、椎茸は日に当てることでビタミンDが増えます。
また、野菜は生ものです。購入後は新鮮なうちになるべく早めに食べましょう。
冷蔵庫保存 | ほうれん草、小松菜、レタス、キャベツ、人参、白菜、大根、なす、もやし、かぶ、長ねぎ、ブロッコリー、きゅうり、キノコ類、ごぼう、カット野菜(切ってあるかぼちゃも含む)など |
常温保存 | じゃが芋、さつま芋、玉ねぎ、かぼちゃ(切ってないもの)、トマトなど |
3、色の濃い緑黄色野菜は油と共に料理する
色の濃い野菜には、ビタミンAなどの脂溶性ビタミンが含まれています。体内で吸収されるためには油が必要なので、一緒にとったほうが効果的です。炒め物や和え物、サラダに油を加えましょう。
4、色の薄い野菜は加熱しすぎない
色の薄い野菜には、ビタミンB群やビタミンCが含まれているものが多くあります。それらのビタミンは熱に弱く減少してしまいます。また水溶性のビタミンなので、水にさらす時間が長いと流出してしまいます。短時間でしっかり洗い、加熱する際には短時間にしましょう。
5、冷凍することで栄養アップするものもある
キノコ類は冷凍することで栄養が多くとれるようになります。なぜかというと、細胞壁が壊れやすくなり、中からうまみ成分や栄養価が出てきやすくなるためです。
小松菜も冷凍することでビタミンCやビタミンB群の損失を減らすことができます。
6、スープにすることで摂りやすくなる栄養もある
細胞の奥に含まれる色素成分などのファイトケミカルは、スープとして煮ることで細胞膜が壊れて体内で吸収しやすくなります。またスープの汁にも有効成分が多く含まれるので、一緒に摂ることができます。
7、栄養を摂りやすくする切り方がある
それぞれの野菜に合った切り方をすることで、体内でより吸収しやすく有効に栄養素をとることができます。
<例>
玉ねぎ
みじん切りが一番効果的な切り方です。有効成分のアリシンを摂ることができます。ただ、水にさらすと激減してしまうので、水にさらさずに切ってから10分ほど放置すると元の成分の硫化アリルがアリシンに変化します。アリシンは血液サラサラ成分とも呼ばれ、血管の健康に役立つ成分です。
人参
人参は内側と外側の栄養価が大きく違います。外側にカロチンやポリフェノールなどの栄養価が多く含まれているので、外側と内側を一緒に切るような輪切りや乱切り、いちょう切りが良いでしょう。皮にも多くポリフェノールが含まれていますので、有機栽培のものは皮を剥かずに良く洗って使うのがお勧めです。
ピーマン
ピーマンは独自の苦みが苦手な人は縦切りがお勧めです。なぜならピーマンの細胞が縦に並んでいるので、横に輪切りに切ると苦みが多く出てきます。ただ、この苦みはクエルシトリンというポリフェノールなのでデトックスや高血圧予防に有効と言われています。苦みが気にならず、この成分を効果的に摂りたい方は横にスライスに切ってサラダなどに加えるのも良いでしょう。
ほうれん草
ほうれん草はシュウ酸を含むため茹でてから使うのが一般的です。茹でる前に切ってしまうと切り口からどんどんビタミンCが流出してしまいます。必ず切るのは茹でてからにしましょう。
美味しく野菜を食べて、ビタミンやミネラル、ポリフェノールなどの栄養を体の中でしっかりと使えるようにしていきましょう。
<参考文献>
野菜の保存方法一覧 野菜は鮮度が大事!上手に保存するコツを フェリシモ
https://www.felissimo.co.jp/kraso/blog/posts/74614
その調理、9割の栄養捨てています! 東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 世界文化社